企業経営と税理士の関係 これからどうなる? [業界動向]
月刊シリエズでは、5月に一般企業に向けて会計事務所に関するアンケート調査を実施した。その結果、会計事務所を替えたことがある企業は35%に達していたことが判明。これは「多い」といえるのか、「少ない」といえるのか。
今回のアンケート結果では「税理士を替えたいと思ったことがない」と答えた企業は41%。一昨年に同様のアンケートを行なったときには、税理士を替えたことがない企業が54%だった。企業の会計事務所を見る目は年々厳しくなっているとも解釈できる。
それを如実に表しているのが、実際に税理士を替えたことがある企業の割合だ。4年前のアンケートでは替えたことがある企業は16%だった。それが年を追うごとに21%→27%と上昇。今回の調査では35%と、1/3を超えた。そして「替えたいと思うがよい税理士を知らない」という“替えたい予備軍”が17.6%に達した。これらの結果から、半分以上の企業が会計事務所に対して全幅の信頼を寄せているわけではないことがうかがえる。
会計事務所の顧問料については、経営者はどのようにとらえているのだろう。今回のアンケートによると「高い」「やや高い」の回答は38%と4割近くに達した。しかし、前回調査の52%から14ポイントダウン。これはどうとらえるべきなのか、今後の課題として挙がった。一方で「安い」「やや安い」という回答は11%。初めて2ケタに乗せた。
また「現在の(月額)顧問料はいくらですか?」という質問に関しては、2万円未満が23%と一番多かった。続いて「2万5000円以上3万円未満」「3万円以上4万円未満」が各18%だった。今回の調査では回答企業の9割以上が年商10億円未満と比較的小規模事業所からの回答が大部分だったこともあるが、顧問料7万円以上という回答は5%にとどまった。
顧問料3万円未満の企業は全体の53%。これまで顧問料の相場として3万~5万円というラインが考えられていたが、今回の調査をみると、事実上値崩れを起こしていることがうかがえる。顧問料が「高い」という回答の割合がダウンしている背景とは密接にかかわっていると思われる。
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業界に激震!!中央青山ショックは会計業界再編成に何をもたらすのか [業界動向]
中央青山がカネボウの粉飾決算に関係していたとして金融庁から一部の業務を2ヶ月停止する処分を受けた。関与先は5500社を超えるとも言われるビッグ4の一つでもある中央青山の業務停止処分はさまざまな面で波紋を広げようとしている。アメリカではエンロン事件によりアーサー・アンダーセンが解散に追い込まれている。日本でも中央青山ショックは会計業界の再編につながるのだろうか。
中央青山が実際に処分を受けたのは7、8月の2ヶ月の業務停止処分。この間の法廷監査や新規契約ができなくなるという。いわゆるビッグ4へのこうした業務停止処分は初めてだという。この業務停止により直接影響を受ける企業は約2300社と言われている。だが、本当の影響がでるのは、その後だという声もある。
アメリカでは同様のケースでアーサー・アンダーセンが結局解散の憂き目にあった。中央青山の場合、実際には2ヶ月の処分ということもあり、大きな影響はないという声もあるが、果たしてそうだろうか。
すでに一部の企業では、監査法人を変更するという話もでてきており、今後の動向によってはそうした動きは加速する可能性もある。また、そうした動きを受けて、中央青山と業務提携をしているプライス・ウォーター・ハウスクーパースはすでに新監査法人を設立を目指しているという。
これは監査法人に対する明確な外資の参入でもあり、これを契機に人材の流出も相当あると考えられ、すなわち業界再編の動きが加速することも考えられる。そして、それは監査法人(公認会計士)だけの話ではなく、当然税理士にも大きな波紋をもたらすことも考えられる。
一つは中央青山が業務提携している税理士法人中央青山(中央青山本体より、全国各地の業務提携している税理士法人の動向、これは後日詳細予定)の動向をはじめ、中央青山から優秀な人材が流出することが考えられる。
企業側も今回の件をうけて中央青山から別監査法人に鞍替えするとなれば、当然、その他の監査法人は人手が足りなくなる。その補充の対象は中央青山になる可能性が高い。そして、税理士業界として注意しなければならないのは、これを契機に独立開業する公認会計士が続出することである。
公認会計士とはいえ、個人で独立開業すれば、現在でもそうだが、多くの場合は監査より税務・会計を基本業務にする公認会計士がほとんどだ。つまりは、競争が激化することが考えられるのである。
当然、開業するとなれば、アシスタントを募集する。ちょうど8月には税理士試験があることから、通常でも会計事務所にとっては人材が流動化しやすい時期でもある。今年は、それに加え、この中央青山ショックでもしかしたら未曾有の売り手市場の採用競争になることが考えられるのだ。優秀な人材の確保は会計事務所の成長に欠かせないファクターである。それに対して今回の中央青山の業務停止処分がどういう影響を及ぼすのか注意が必要かもしれない。
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税理士の社会における貢献とは何か? [業界動向]
ちょっと前の話になるが、大阪のA税理士が急逝された。まだ45歳。新進気鋭の若手税理士として会計業界だけでなく、多方面から注目されていた。
ここ数年、シリエズ編集部でも大阪の会計事務所を取り上げるケースが多い。一時、活気がないと思われていた大阪だが、ここ数年はむしろ全国でも一番活気のある地域となっていた。その牽引者がA税理士だったという人は多い。
ある税理士は言う。「私にとってA先生は目標でした。だから、今回は残念でしょうがありません」また別の税理士はこういう。「A先生は大阪の若手税理士の中でも特別な存在でした。A先生の代わりは誰もできないと思います」実は、編集部としてA税理士を取材したことはない。何度もアプローチをしてはいたが、「もうちょっと待って。確固たる自信を持てたら、ぜひ取材をお願いしたい」と言われ続けていた。
税理士は一般の人が思っているよりずっとハードな仕事である。確かに以前に比べて、自計化が進み、パソコン会計が進み、単純作業はずいぶんと減少したという。しかし、今成功をおさめている税理士に話を聞くと、「血を吐いたことがある」「何度か救急車で運ばれたことがある」といった話がかなり多くでてくる。聞いていると「頑張る」税理士ほど倒れるケースが多い。作業は減少しても、逆にお客様へのサービスを向上させるために土・日返上で仕事をしている税理士は数知れない。知らず知らず無理を重ねている税理士は非常に多い。
話は変わるが、税理士の社会・地域における貢献とは何だろう。一件でも多くの中小企業の経営をよくしたい。そう考える税理士がほとんどだ。そのために無理をする。それも重要なことだ。しかし、A税理士のような優秀な税理士が早くに亡くなるということは、これ以上の地域・社会における損失もないのではないか。「一件でも多く」もそうだが、「一日でも長く」というのも 優秀な税理士には求められているのである。
確定申告も終わり、ホッと一息つくときでもある。また今年は厳冬の影響でまだまだ日によって、気候の変動が大きい。頑張ることは大事だが、無理を重ねてダウンしては、それはもっとも大きな損失になる。そう考えて、日頃の体調管理には気をつけていただきたいと切に願う。
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優秀な人材確保はこれからの会計事務所の生命線を握る [業界動向]
「人・モノ・金」といわれるなかで、税理士事務所で一番大切なものは「人」である。これは多くの税理士がそう感じているのではないだろうか。つまり優秀な人材の確保こそが、これからの事務所成長の鍵を握ると言っても過言ではない。では、その人材の確保にふさわしいだけの給与を税理士事務所は職員に与えているのだろうか。
4523億2100万円÷122888人=368万円
上の数字は、平成16年度サービス業基本調査(速報値)による。会計事務所の総給与支給額を総従業員数で割ったものである。実際に調査した統計表では税理士事務所では406万円という数字が出ている。ここでは他業種との比較もあるので406万円の数字を分析することにする。
つまり、この給与額が優秀な人材を確保できる額なのかということである。勿論、給与の場合、東京と地方ではかなりの差が生じる。その点は11月に出る確定値では都道府県別のデータもでることになっているはずなので、その点を参照されたい。
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税理士事務所の従業者一人あたりの売り上げは約849万円! [業界動向]
先頃、総務省が発表した「平成16年サービス業基本調査の速報」によると、税理士事務所の収入額は1兆427億円、一事務所あたりの平均収入は3,650万円となっています。また、従業者一人あたりの収入(売り上げ)は約849万円。同じサービス業基本調査で比較すると収入額では焼肉店(1兆212億円)、一事務所あたりの平均収入では学習塾(3,379万円)が近い数字となっています。
ちなみに前回の平成11年の調査では、収入額は1兆2,018億円。一事務所あたりの平均収入は4,087万円でした。会計事務所の二極化は言われて久しいですが、先の事業所・企業統計調査に加えて従業者数、収入額でも大幅に減少している現状を見る限り、会計事務所の二極化ははっきりとその傾向が現れ始めたといるでしょう。
しかし、一方、会計事務所向け専門誌「月刊シリエズ」の読者アンケートの結果によると「70.4%の事務所が前年比で増収」という回答を寄せているという調査もあります。
一方で大幅な減収が伝えられるなか、確実に増収している事務所もある。これこそまさに「勝ち組」と「負け組」の二極化と言えるのかもしれません。
統計数字だけでは「勝ち組」と「負け組」の違いを見分けることはできませんが、統計数字から勝ち組に学ぶことはできるのではないでしょうか。例えば、今回の調査では社会保険・社会福祉・介護事業は事業所数、従業者数ともに急激な伸びを示しています。この「急成長ぶり」は会計事務所にとって新しい顧問先の候補として視野に入れておくべきでしょう。
「サービス業基本調査」等の統計調査は業種、業態の実態を明らかにする目的で実施されています。会計事務所の置かれている厳しい現状に悩んでいるよりも統計情報から何を見つけて、どのようにビジネスに活かすのかを考えることが「勝ち組」へのスタートになるのではないでしょうか。
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会計事務所数は5年間で1,257件減少(-3.8%) [業界動向]
総務省統計局は先週27日(金)に「平成16年サービス業基本調査」を発表しました。それによると平成16年6月1日現在のサービス業の事業所数は21万6千事業所で、前回平成11年調査と比べると1.2%の減少となりました。しかし、その半面従業者数は1,480万4千人で、平成11年より9.9%も増加しています。業種にもよりますが、全体としてサービス業はいまだ成長産業といえるようです。
さて、気になる会計事務所のデータですが、公認会計士事務所、税理士事務所の数は3万1,858件で、このうち公認会計士事務所は2,806件、税理士事務所は2万9,052件となっています。平成11年と比べると、公認会計士事務所は757件の減少(-21.3%)、税理士事務所は501件の減少(-1.7%)、全体では1,257件の減少(-3.8%)となっています。公認会計士事務所の落ち込みが際立っています。
また、従業者数は、公認会計士事務所が2万4,916人、税理士事務所が12万9,266人で、両者を合わせると15万4,182人となっています。同じく平成11年と比較すると、公認会計士事務所は5,858人の減少(-19.1%)、税理士事務所は1万805人の減少(-7.8%)、全体では1万6,663人の減少(-9.8%)となっています。事務所数の減少幅と比較すると、従業者数の減少が大きいのが気になるところです。
このように全体的に会計事務所業界は縮小傾向にあります。会計事務所のマーケットである事業所数全体が減少してるわけですから、これも当然といえるかもしれません。また、この数字からもう一つ類推できるのは、世代交代が進んでいるということです。公認会計士事務所が大きく減っているのも、ここにポイントがあるように思えます。さらに、データこそありませんが、会計事務所の開業率が低くなっていることも、全体に影響を及ぼしていると考えられます。
世代交代と開業者の減少、この2つが事務所数と従業者数の減少に結びついているのではないでしょうか。この傾向はしばらく続くかもしれません。
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ついに900件に達した税理士法人の動向 [業界動向]
税理士法人の数がついに900件を超えました。日税連が発表した今年4月末日現在の税理士法人の届出数は904件。2002年4月の制度創設から3年を経て900件に達したわけですが、これは当初の予想よりややスピードが遅いという感じもします。
ともあれ、税理士法人数は今後も増加するものと見られ、やがては1,000件の大台に乗る日も来るものと思われます。
税理士法人の最も多い地域はやはり東京で、3割以上(277件・30.6%)が集中しています。これに近畿(125件・13.8%)、関東信越(97件・10.7%)、名古屋(72件・8.0%)の各税理士会の順で続きます。
これは税理士登録者数とほぼ同じ順位で、税理士の多い地域ほど税理士法人の数も多くなっています。ただ、名古屋は税理士登録者数では6位ですが、税理士法人数では4位となっています。このあたりは好調な名古屋経済を反映した結果なのかもしれません。
とはいえ、税理士法人の多くは「個人事務所が看板を変えただけ」というのも実情です。日税連が先に明らかにした『第5回税理士実態調査報告書』でも、「個人事務所の法人化」とする税理士法人が70.3%にも及んでいます。これに対して「他の事務所の合同による法人化」とする答えは27.5%にとどまっています。
法人化の進行が業界再編などにつながる動きは今のところ見られません。ただ、一方で支店網を拡大したり、ネットワーク化を強化する動きは見られます。「個人事務所から看板を変えただけ」の事務所が多い中でも、ネットワーク化は静かに進行しています。
また、数こそ少ないものの、異業種の参入も静かに進行しています。税理士法人の中には、経営母体が異業種という例もあります。これらの動きは、来るべきサラリーマン全員確定申告時代に供えた金融商品の売り込みにねらいがあるようです。
いずれにしても新しい波は確実に押し寄せていると見るべきでしょう。
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日本の監査報酬の実態が明らかに [業界動向]
日本公認会計士協会は先ごろ「監査実施状況調査」を公表しました。この調査は、平成17年3月3日までに同協会に提出された平成15年4月期から平成16年3月期までの1年間にかかわる監査概要書及び商法監査実施報告書ならびに平成15年度の信金・信組の監査実施報告書及び学校法人監査実施報告書に基づいて行ったとしています。
調査対象は、証券取引法監査実施状況では4,575社(個別財務諸表のみ提出企業1,081社、連結財務諸表提出企業3,494社)、商法監査実施状況では5,752社、信金・信組監査では318社、学校法人監査では5,787法人となっています。公表されたデータは、売上高別、業種別の監査従事者とその監査時間、報酬額の最低・最高額と平均値です。
まず証券取引法監査の個別財務諸表のみ提出している企業についてみると、監査従事者数の総平均は8.9人、監査時間の総平均は762時間、監査報酬の平均は9,827千円となっています。単純計算で1時間あたりの単価を求めると、1万2,896円となります。ちなみに監査報酬の最低額は売上高10億円未満の200千円、最高額は売上高1000億円以上1兆円未満の70,000千円となっています。
次に連結財務諸表を提出している企業を見ると、監査従事者者数の総平均は13.0人、監査時間の総平均は1,703時間、監査報酬の平均は20,516千円。単純計算での1時間あたりの単価は1万2,047円となります。監査報酬の最低額は売上高+10億円未満の600千円、最高額は売上高1兆円以上の202,600千円となっています。
さらに、業種別に監査報酬の平均額を見ると、個別財務諸表のみ提出企業では、建設業が12,753千円、製造業が11,212千円、卸売業・小売業が12,027千円、金融保険業が12,949千円、不動産業が6,424千円、運輸通信業が6,439千円、サービス業が8,233千円、連結財務諸表提出企業では、建設業が21,747千円、製造業が21,396千円、卸売業・小売業が19,732千円、金融保険業が26,411千円、不動産業が16,510千円、運輸通信業が17,905千円、電気・ガス・水道が23,591千円、サービス業が17,011千円となっています。
日本の監査報酬は欧米に比べて格段に水準が低いといわれていますが、今回のデータではその水準とともに、かなりのばらつきがあることが明らかになりました。あくまでも単純計算ですが、個別財務諸表のみ提出企業の時間単価が連結財務諸表提出のそれを上回っていることなどにも、問題が内包されているが伺われます。(「月刊シリエズ」編集部より)
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若手税理士の発想が業界を変える [業界動向]
ここ数年、若手税理士の営業活動が目立つようになってきました。ひところは開業したての税理士が何か新しいアクションを起こすと、ベテラン税理士からクレームがついたり、綱紀監察から呼び出しを受けたりといった圧力がかかるのが「業界のおきて」でしたが、さすがに近年は時代が変わってきました。多少の圧力などものともせず顧客獲得にしのぎを削る若手税理士が増えてきました。
その活動内容はさまざまですが、彼らに共通しているのはこれまでの業界の常識がないということです。「そんなことをしたら回りの反響が怖い」「そんなことをしても儲からない」「そんなことをするのは面倒だ」と、ベテラン税理士が考えるようなことを彼らは実践しています。
例えば、記帳代行会社と税理士事務所が正面からぶつかったらどちらに軍配が上がるでしょう。条件や環境にもよりますが、一般的には価格競争にさらされて税理士事務所は太刀打ちできないと考えるのが普通ではないでしょうか。
しかし、若手税理士の中にはそうは考えない人が少なくありません。それは、彼らが税理士が特殊な商売ではなく、一般のビジネスマンと同様だと考えているからです。つまり、記帳代行会社と対等の立場で勝負をしようとしているのです。
この発想はきわめて強力な武器になります。彼らには開業当初から先生商売の発想は微塵もありません。「一般のビジネスマンがやっていることを税理士だからといってできないことはない」と彼らは考えるのです。
こうした発想で記帳代子会社に戦いを挑み、勝ちを制した若手税理士もいます。この税理士が最初に行ったことは、記帳代行会社より料金を安く設定したことです。これまでの常識でいえば、そもそも記帳代行会社より料金を安くするという発想自体が出てこないのではないでしょうか。
そこが若手税理士の違いであり、強みになっているのです。この記帳代行会社に勝った税理士は、記帳代行の顧客に親身に対応することでその信頼を得、そこを切り口に徐々に顧客を拡大し、開業から数年で10人近くのスタッフを抱える事務所にまで成長しています。
発想の違い、考え方の違い。これがこれからの業界を変えていく起爆剤になるかもしれません。(月刊シリエズ編集部)
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税理士の過半数は60歳以上 [業界動向]
先ごろ、日税連が発表した「第5回税理士実態調査」に基づく税理士の高齢化の実情が注目を集めています。それによると、年代別で最も多かったのは70歳代で、その割合は税理士全体の29.1%にも及んでいるといいます。
また、80代の税理士も5.4%を占めており、70代と合わせると34.5%と、70歳以上の税理士が全体の三分の一を占めていることになります。まさしく高齢者中心の業界かであることが実証された格好です。
さらに60代の税理士も18.4%に上っています。70代、80代と合わせると、何と52.9%と過半数を超えてしまいます。つまり、税理士の半数以上は60歳以上というわけです。
現在、税理士の登録者数は約6万8,000人ですが、これに52.9%という数字を単純にかけると約3万6,000人にもなります。60歳未満の税理士は残りの3万2,000人という計算になりますが、これは興味深い数字といえます。
試験組を中心に若手税理士も今後増加が見込まれますが、一方でOBの天下り制度も維持されたままの状況で高齢化はさらに進むことが予想されます。おそらく60歳以上が過半数を占めるという構造は今後も大きく変わることはないと思われます。
とはいえ、今後は高齢税理士のリタイアも進行します。80代、70代、60代といった税理士の顧客もいずれは別の税理士に引き継がれます。税理士の過半数が持つこのマーケットは決して小さくないと思われますが、若手税理士からすればここに照準を合わせることも戦略の一つになるでしょう。高齢者と若手のタッグによる税理士法人の設立、そして事業承継といった構図も考えられます。
いずれにしてもこれからのマーケットは大きく動いていくことになりそうです。(月刊シリエズ編集部)
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この半年間で180件も増えた会計事務所のHP [業界動向]
インターネットの検索エンジンのグーグルで「会計事務所」と入力して検索をすると、731,000件もの情報が出てきます。また、「税理士」で検索した場合には790,000件の情報が得られます。インターネット上にはこのように膨大な情報が氾濫しています。
他方、会計事務所のリンク集としてはおそらく最大と思われる「会計事務所の検索に便利なページ」には、1,669件のホームページがリンクされています。むろん、このリンク集はすべての会計事務所のホームページをリンクしているわけではありません。また、毎日のようにホームページを開設する事務所は増えていますから、その数は日々増加しています。
ちなみに現在検索エンジンのヤフーに登録している税理士事務所は795件ですが、半年前の昨年7月時点では615件しかありませんでした。つまり、この半年間で180件の事務所が新たに登録をしているのです。ホームページのブームはすでに過ぎ去っているように思われていますが、実際にはまだまだ新規に開設したり、本格的に運用したりする例が増えているわけです。
おそらく現在では2,000件以上の事務所がホームページを開設しているのではないかと思われますが、その数は今後もさらに増えそうです。この背景にはインターネットで会計事務所を探す人々が増えてきたことがあります。会計事務所の紹介サイトも隆盛で、こうしたサイトのアクセス数も増加しているといいます。
地域の中で名前を知られている事務所の中にもまだホームページを開設していない例が見られますが、そろそろこうした事務所も重い腰を上げないと競争力をなくすことになりかねません。ホームページの開設は事務所の看板を掲げることと同義語になりつつあります。(月刊シリエズ編集部)
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昨年のOB税理士一人当たりの斡旋額は880万円 [業界動向]
国税庁は先ごろ、昨年7月に退職した国税職員で税理士資格を有するものに対して行った顧問先の斡旋の状況を公表しました。それによると、斡旋を受けた者は指定官職のうち331名で、国税局長2名、国税不服審判長1名、税務署長186名が含まれているといいます。
1人当たりの斡旋企業数は11.9社、1社あたりの年間報酬は740,168円で、一人当たりの年間報酬額は8,808,000円に及んでいます。また、331人の斡旋報酬額の総計は29億1,544万8千円に上っているといいます。
相も変わらず国税OBへの斡旋が続いているわけですが、1年間に29億円もの報酬が国税当局によって生み出されているという事実は、やはり釈然としません。この不況下で1社あたりの平均報酬額が740万円に及んでいるのも、一般の会計事務所からするとまさしく「棚からボタ餅」という印象ではないでしょうか。
時代は規制緩和による競争原理の導入により、利用者の側に選択肢をゆだねつつあります。これまでのように国家資格者として規制の枠に守られることはなくなり、税理士や会計士も「選ぶ時代から選ばれる時代」を迎えています。そのために必死の努力が続けられている市場の中で、このような国家権力による斡旋が相も変わらず続いているのは時代錯誤といわざるをえません。
また、何故このような斡旋が可能なのかも首を傾げざるを得ません。斡旋を受ける側に果たしてどのようなメリットがあるのでしょうか。少なくとも一般的な税務サービスを受けようとするのであれば、進んで斡旋を受け入れるニーズがあるとは考えられません。このあたりにも不透明感が漂っているといえます。
2005年、会計事務所業界は本格的な競争の時代を迎えました。しかし、この競争を健全な形で進め、発展させていくためには現行の国税OBへの顧問先斡旋制度にメスを入れる必要があります。業界内が一定のルールの元で競い合っている中で、違うルールでプレーする一団がいることは異様といわざるを得ません。この問題の解決なしに業界の発展はない、というのは言い過ぎでしょうか。
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2005年は「企業努力」の年 [業界動向]
楽天は1月5日より社会保険労務士の仲介サービスをスタートさせました。また、税理士についても現在の関東地方中心から全国での登録を始め、仲介サービスに本腰を入れるといいます。ライブドアの弥生買収や税理士法人設立に触発されたわけではないでしょうが、期せずして昨年のプロ野球界をにぎわせた両社がこの業界に進出してきました。
一般企業から見れば、士業の世界はニッチ市場と映ることでしょう。これまで規制で囲われていた世界に競争原理が持ち込まれることにより、新たな市場が誕生したといえます。今後も税理士を中心とする士業を対象にしたビジネスは増えてくるでしょうし、意外なところから新規に参入する企業があるかもしれません。
一方、ビジネスの対象にされるほうの士業の意識も大きく変わってきました。会計事務所の世界でも広告宣伝活動は一般化しつつあるといえます。特に若手会計人の間では活発で、インターネットを活用してさまざまな仕掛けが行われています。かつてのようなのれんわけもなければ、紹介で顧客が増える時代でもありませんから、あらゆる手段でアピールするのは当然ことといえるかもしれません。
このように広告宣伝活動が活発化すると、利用者の側はより多くの情報を手にすることになります。その結果、比較検討ができるようになります。現在の会計事務所のサービスや報酬が適正かどうか、比較検討する企業も少なくないと思われます。ここで納得のいく説明がなければ、顧客は会計事務所を替えることになります。
つまり、広告宣伝活動の活発化は、会計事務所を替える企業の増加につながる可能性が高いわけです。そして、やがては従来のような「取った、取られた」の関係から、オープンなマーケットが形成されていくのではないでしょうか。
会計事務所はかつての顧客を選んだ時代から、顧客に選ばれる時代を迎えています。このことが認識できれば、サービスの充実と営業活動は車の両輪として実践しなければならないことが分かるはずです。この両輪の活動は「企業努力」にほかなりません。
2005年は会計事務所にこうした「企業努力」が一層求められる年になるのではないでしょうか。
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2004年は制度改革の幕開けの年、2005年にはさらなる変化が… [業界動向]
2004年は皆さんにとってどんな年だったでしょうか。この1年は会計事務所の世界でもさまざまな動きがありました。本ニュースでもさまざまな話題を取り上げてきましたが、ここでその動きを振り返って見ましょう。
まず1月第1回目となるニュースでは、会計事務所間の競争激化の話題を取り上げました。2月はついに電子申告がスタート。いくつかのトラブルもあり、問題点が浮き彫りになりました。
3月には相続税の連帯納付訴訟が大阪高裁で控訴棄却となったニュースを詳解しました。また、同じく3月は監査法人の代表社員が逮捕されるというショッキングなニュースもありました。監査法人をめぐってはその後も話題が尽きません。4月には道路公団の会計関連業務を中央青山が2万6千円で落札し、会計士協会から厳重注意を受けるという事件もありました。
4月は消費税の総額表示がスタート。5月には国会議員の未納問題が明らかになる中で年金がクローズアップされましたが、年金はもはや第二の税金と化していることが明らかになったといえます。
6月には会社法制の現代化要綱に会計参与制度が盛り込まれることが明らかになり、話題となりました。7月にはイギリスの大手弁護士事務所が日本の法律事務所を吸収合併。改正外国弁護士法適用の第1号となり、士業の世界にも国際化の波が押し寄せてきていることが実感されました。
8月は再び監査法人の話題。2003年度の4大監査法人の経常利益が前期比37%も減少し、監査法人の苦しい台所事情が明らかになりました。9月には国税庁が「税を知る週間」を今年から「税を考える週間」に改称すると発表。年末調整の廃止、サラリーマンの申告納税に向けた布石が打たれました。
10月には税理士登録者数が8月末時点でついに6万8千人を超えたことが分かりました。11月はADR法を取り上げました。裁判外紛争の解決にあたる代理人として税理士を活用すべしというのが日税連の要望で、会計参与と並んで税理士の新しい職域の可能性に注目が集まりました。
こうして1年を振り返ってみると、まずさまざまな制度改正が行われた年だったことが分かります。税制、会計、商法というトライアングルでめまぐるしい変化があり、これが会計事務所のみならず士業全体に大きな影響を与える。そうした時代の幕開けの年になったようにも思えます。
また、監査法人にとっては大揺れの1年だったといえます。来年はさらなる変化にさらされ、ひょっとすると業界再編といった動きが出てくるかもしれません。そして、この変化は一般の独立系事務所にも必ず余波を巻き起こすでしょう。
2004年は新しい時代の幕開け。この変化のうねりは2005年にさらなる高波となり、会計事務所業界を席巻するかもしれません。(月刊シリエズ編集部)
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たかが年調、されど一大事にも… [業界動向]
12月といえば、会計事務所にとっては年末調整の季節です。とはいえ、会計事務所のすべてが年調に追われているわけではありません。「年調は金にならないから」と消極的な事務所も少なくありません。
確かに年末調整は収益性が高い仕事とはいえません。しかし、会計事務所のライバルから見ると、ここに付け入る隙があるようです。ここでいうライバルとは主としてアウトソーシングの代行会社のことです。
アウトソーシング会社ではこの時期、年末調整を切り口に営業をかけています。彼らの狙いは年末調整業務を受託することではありません。年調の先には給与計算業務があります。この給与計算も消極的な事務所がありますから、ここまではあまり会計事務所に影響しないかもしれません。
しかし、その先の記帳代行となるとどうでしょうか。アウトソーシング会社では年末調整から給与計算、記帳代行という順で業務受注を狙っているのです。しかも、その先の申告業務でも若手税理士などと提携し、一般の会計事務所の顧問料と比べかなり安い金額で一連の業務を受注できる仕組みを構築しています。
数年前までのアウトソーシング会社はここまで仕組み作りが進んでいませんでした。また、一般の企業も「会計事務所に頼んだほうが安心」という意識があったように思われます。
ところが、今では状況が大きく変わり始めています。若手経営者の多くは合理的な仕組みを求めていますし、アウトソーシングの活用もどんどん進んでいます。これまでは世間の流れとは別世界にいた会計事務所も、今は大きな流れに巻き込まれようとしているといえるでしょう。
会計事務所業界が大きな変革期を迎えていることは、これまでもお伝えしてきたとおりです。しかし、そのことを十分に理解して、明確な戦略を描いている事務所はいまだ少数ではないでしょうか。年調ひとつをとっても、意識的な対策を行っている事務所は少ないように思われます。
2005年はこうした対応が取れるか否かで、さらに大きな格差がつくのではないでしょうか。(月刊シリエズ編集部)
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会計事務所業界に嵐を呼ぶライブドア? [業界動向]
先月、ライブドアは弥生の買収を発表しました。このニュースは弥生会計のユーザーのみならず、多くの業界関係者に衝撃を与えました。弥生が身売り、しかも買い手がプロ野球への新規参入で一躍時の会社となったライブドアというのは、いかにも唐突な印象を受けざるを得ません。さらに、このニュースに追い討ちをかけるように、時を同じくして今度は税理士法人ライブドアが設立されたことが、東京税理士会の会報(新入会税理士法人の欄)で明らかになりました。
会計事務所業界とライブドア、これまであまり接点がなさそうだった両者の関係がここにきてぐっと縮まったような印象を受けます。この接点を結ぶのが先日まで取締役最高財務責任者を務めていたM税理士だといわれています。M税理士はイーバンク銀行買収をめぐる混乱の責任を取る形で10月に取締役を退任していますが、一部では今でも大きな影響力をもっているといわれます。
実はライブドアのプロ野球参入のニュース報道でも「税理士」は登場していました。当初、ライブドアは近鉄球団に譲渡を申し入れましたが、その際近鉄側へ申し入れを行ったのは税理士だと報道されていたのです。むろん、これがM税理士を指すのどうかは定かではありませんが。
周知のとおり、その後ライブドアは楽天との競合にも破れましたが、今度は西武球団から急転直下の身売り話を持ちかけられますが、200億とも250億とも言われる西武側の巨額の提示にライブドアは「馬鹿にするな」と一蹴したと言われています。そして、これらの出来事の直後にライブドアが発表したのが弥生の買収だったわけです。一説には「西武を買収する金ぐらいすぐに捻出できるのだと弥生の買収で見せ付けた」という論評も出ていますが、これはもちろん憶測の域を出ません。
いずれにせよ、今のところライブドアが会計ソフトメーカーと税理士法人を使って、どのようなビジネスを展開しようとしているのか、定かではありません。この先の予測も容易にはつきませんが、2004年も終わりに近づいた段階でこうした動きが出てきたのはなんとも象徴的です。2005年は波乱の幕開けとなりそうな予感がします。(月刊シリエズ編集部)
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税理士が紛争解決機関になる!? [業界動向]
制度改正は国家資格者にとって往々にしてビジネスチャンスになるようです。新たな法律の制定によって生まれる制度がビジネスに直結する場合も少なくありません。
そのひとつの例が商法改正に盛り込まれる予定の会計参与です。今後もさまざまな法律の改正や新設が予定されていますので、国家資格者のビジネスに関連する制度が生まれることになりそうです。
そうした流れの中で、これから注目を集めそうなのがADR法の代理権です。ADR法とは裁判外紛争解決手続の利用の促進に関する法律のことで、裁判によらないで紛争を解決する制度として制定が予定さています。
この法律が成立すると、ADR代理人という制度が誕生します。これは紛争解決に当たる代理権を与える制度で、目下この代理人に税理士会や社労士会などが手を挙げています。税理士会や社労士会からすれば、これによって新たな職域を拡大しようというわけです。
日税連では10月に司法制度改革推進本部に対して「税理士に対する裁判外紛争解決手続における代理権付与」についての意見を提出しています。この中で日税連が要望していることは2点あります。ひとつは既存のADR機関(例えば、労働委員会や消費者生活センターなど)及び新設されるADR機関に対して、ADR手続の実施者の相談者として税理士を活用する施策を講じる
ことです。もうひとつは税理士が一定の範囲のADR代理人になることです。税理士にADR代理権を付与する場合の対象となる紛争について、日税連では次の2つの範囲とすべきであるとしています。
1.租税に関する法令の適用に関する紛争(納税義務者と税務官公署との紛争を除く)
2.財産の相続または贈与に関する紛争
つまり、民対民の税金がらみの紛争の解決にあたるというわけです。日税連は意見書の中で、概数513人の税理士が民事調停委員を務めていること(全体の3.8%)などをアピールし、今後はADR関連の研修に力を入れていくなどとしています。
今後このADR代理権がどのような形で認められることになるのか、今のところ先行きは不透明です。ただ、制度の導入によって市場にどのような変化が起こるのか、注視していく必要はありそうです。(月刊シリエズ編集部)
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会計士協会に負けた税理士会? [業界動向]
しかし、一般の税理士が会計参与として現実の企業に関わることはそうたやすいことではありません。これは知識レベルや責任の問題ばかりではありません。現実に会計参与を依頼する企業がどのようなレベルで、いかなるニーズをもっているかを考えることが重要です。
「会計参与は監査法人をリタイアする公認会計士の仕事になる」という見方を示す税理士もいます。実態としては監査法人が財務諸表を担保し、リタイアする公認会計士は名誉職と収入源を得るというのです。この見方は、こうした会計参与を依頼する企業は監査法人と接点を持つ程度のレベルと想定しているわけです。
むろん、これに対する反論もあるでしょう。一般の中小企業でも金融機関から資金を引き出すためには制度を利用せざるを得ないという見方もあります。ただ、そうした企業の財務書類の作成に携わり、なおかつその中身に一定の責任を持つとなると、きわめてリスキーな仕事になります。そう考えると、会計参与を依頼する会社で、かつ税理士や会計士が引き受けようとする対象はかなり限定されるように思われます。
会計参与は税理士会と会計士協会が職域を巡って長年争ってきた落しどころとなりました。しかし、果たしてどちらが職域を広げたかといえば、現段階では会計士側に軍配が上がるとする見方が強いでしょう。
大企業を対象に監査を行なっている公認会計士がその下の中堅層に降りてくるのは比較的容易ですが、中小・零細企業を対象にしている税理士がその上の層に職域を広げるのは容易ではありません。「会計参与的な仕事に入っていくなら、一定の研修を条件に特例会計士などで税理士が会計士の領域に入
っていくことが必要だった」という指摘がありますが、これは説得力のある見方と思われます。
「結局のところ、税理士会は会計士協会にしてやられた」とは、ある税理士の指摘ですが、そんな見方も広がっています。
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相次ぐ国税幹部OB税理士の犯罪の遠因 [業界動向]
先ごろ、またもやOB税理士の脱税が発覚しました。元浜松西税務署長のこのOB税理士は税務調査で03年までの7年間に3,000万円の所得隠しを指摘され、申告漏れ総額は5,000万円に及ぶと報じられました。
OB税理士の脱税では、元札幌国税局長の「犯罪」が記憶に新しいところですが、今回のOB税理士は国税職員の不正を監視する国税庁名古屋派遣首席監察官を務めていたといいますから、開いた口がふさがりません。これを果たして個人の問題と見るべきでしょうか。少なくともここ一連の動きを見ていると、そうは思えません。
一昨年の2002年には元札幌国税局長の所得税法違反に次いで、大阪国税局OBの地検への告発、元福岡国税局長の証取法違反、2003年には元熊本国税局局長の脱税指南、そして今回の事件と、幹部OBの不祥事は後を絶ちません。そうした状況下で、昨年暮れ(2003年12月28日)の産経新聞は東京国税局が過去20年間OB税理士に対して税務調査を一度も実施していないと報じています。加えて幹部OBへの顧問先斡旋も相変わらず継続しています。
これはどう見ても構造的な問題があると考えるのが自然なのではないでしょうか。国税の組織の問題、さらに国の徴税機関のあり方、そして実質的な天下りであるOB税理士制度も再検討する時期に来ていると思われます。
資格取得の方法を整備しなければ、資格の価値は下がるばかりです。業界の中から改革の声があがらないと、業界そのものが社会から見捨てられる日がくるかもしれません。(月刊シリエズ編集部)
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M&Aで大型税理士法人が誕生する!? [業界動向]
今年8月末で、税理士法人の数が757件に達しました。この調子で行くと年内には800件を超え、さらに1,000件の大台も見えてきそうです。
しかし、こうして新たに設立される法人がある一方で、すでに解散した例もあります。一度は法人化したものの、パートナー間の関係がうまくいかなかったというのが大方の理由です。やはりパートナーとはいえ、明確な上下関係を決めないと運営は難しいということでしょう。
ただ、一部には監査法人やアメリカ型の事務所を目指す法人も見受けられます。税理士法人制度が誕生したときには、監査法人と同じ道をたどるという見方が支配的でしたが、今はそのインフラの整備の段階ということかもしれません。
監査法人のように大手4社が9割近いシェアを握るということは考えにくいにしても、いずれは大規模な法人が群雄割拠するといった自体は十分考えられます。その際に有力な手段となるのがM&Aです。
アメリカではビッグフォー以外の中堅事務所もM&Aによって規模を拡大しています。そして、パートナーの多くもそうした規模の拡大を歓迎しています。というのもM&Aによって事務所が大きくなれば、リタイアするときの退職金も増えるからです。
日本でも今後はこうしたM&Aによる拡大が進行すると考えられます。すでに動き始めている事務所もありますし、監査法人系税理士法人とは別に大きな税理士法人が形成されていく可能性は高いといえるでしょう。
これまで日本でのM&Aというと、引退する税理士が若手に事務所を譲るという形態が一般的できしたが、これからは現役同士がパートナーシップを結ぶというケースも顕在化すると思われます。こうしたM&Aは今も水面下で静かに進行しているかもしれません。(月刊シリエズ編集部)
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年末調整の廃止で会計事務所マーケットが変わる日 [業界動向]
国税庁は先ごろ、「税を知る週間」の名称を今年から「税を考える週間」と改称すると発表しました。これについて国税庁では、単に税を「知る」だけでなく、国民により能動的に税の仕組みや目的を「考えて」もらうためとしています。
この背景には、年末調整の廃止があると見られています。周知のとおり大武健一郎国税庁長官は、年末調整を廃止して、サラリーマンも申告納税すべきだと明言しています。「知る」から「考える」に変わることで、このサラリーマンの申告納税が一歩前進するというわけです。
年末調整の廃止はもはや時間の問題のようですが、そうなると会計事務所はどのような影響を受けるでしょうか。従来の年調業務はなくなり、これに変わってサラリーマンの確定申告を安価で提供するサービスが普及するかもしれません。企業や労働組合などが窓口になればかなりの件数も見込めますから、会計事務所にとっても新メニューとすることができるかもしれません。
しかし、そうなると異業種もこのマーケットをほうっておかないでしょうから、サラリーマンの確定申告の受託を巡ってさまざまな攻防が交わされることも予想されます。また、H&Rブロックを筆頭とする外資もまず間違いなくやってくるでしょう。こうなると会計事務所業界にも大きな波紋が起きます。
つまり、年末調整の廃止は会計事務所業界の地図を大きく塗り変える契機になる可能性があるわけです。サラリーマンの確定申告を新たに始める異業種や外資が、業務の範囲をそこにとどめておくことは思われません。枝葉で起こった火の粉がやがて本丸に飛び火すると考えられるわけです。
そうなれば中小の事務所は大手に飲み込まれ、業界は一気に寡占化といった事態も考えられないことではありません。それほどこの制度変更は大きなインパクトをもっているわけです。
サラリーマンの確定申告が始まれば、確実にマーケットは広がります。しかし、同時にこの変化はさらなる競争の激化を招くことも間違いないでしょう。(月刊シリエズ編集部)
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会計参与を疑問視する現場の声 [業界動向]
周知のように、会計参与は法制審議会会社法務部会が会社法制の現代化に関する要綱の中で打ち出したもので、税理士と公認会計士が経営者と一体となって財務諸表を作る役割を担う制度です。この制度には日税連はもちろん公認会計士協会もいち早く賛意を示し、100年戦争といわれた両者の業域紛争もこれで終息すると見られています。
ところが、現場サイドではこの決着や制度そのものを疑問視する声があがっています。まず、公認会計士の側ですが、やはり税理士の職域侵害と見る向きが少なくないようです。税理士に商法上の地位を与えることや証明業務をさせることに抵抗があるというわけです。
他方、税理士の現場ではもろ手を挙げて賛成かというと、こちらも必ずしもそうとはいえないようです。「損害賠償の対象にもなるし、責任の重い仕事は引き受けたくない」といった声や「大型事務所以外は無理」といった指摘もあります。さらに「あれほど中小企業の外部監査がしたいといっていた日税連が、財務諸表を作る立場になるのに賛成するのは疑問」と、これまでの経緯との矛盾を突く声もあがっています。
もちろん、会計参与を積極的に活用しようと考えている税理士もいます。事務所の軸足をこれに置き、戦略を立てている例もあります。ただ、2006年度中に創設されるというこの制度が果たして機能するかどうかはまったく不透明です。
確かにディスクローズは時代の要請です。中小企業も会計情報を公開する時代になってきたのは確かです。しかし、その反面、今でも銀行用と証した「裏の決算書」を作っている会計事務所があるのも事実です。
つまり、時代のトレンドと現場にはいまだに大きなギャップがあるわけです。これは会計の世界に限ったことではありませんが、流れはあってもニーズは必ずしも醸成されていないわけです。この制度も肝心の中小企業が必要性を認めなければ絵に描いた餅になりかねません。
まさかお上が強権を発動し、銀行に会計参与抜きの財務諸表では金を貸すなと指示する、といったシナリオがあるわけないでしょう。ならば、選択肢は当の中小企業が握っていると見るべきでしょう。その中小企業の声を反映せず、制度創設が一人歩きしていくのはなにやら本末転倒のように思えますが、皆さんはどのようにお考えでしょうか。(月刊シリエズ編集部)
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自己変革を迫られる監査法人 [業界動向]
去る8月13日の日経新聞は、2003年度の4大監査法人の経常利益が前期比37%減少となったと報じました。これは、本ニュースでもこれまで報じてきたとおり、人件費を中心とする経費が増える一方で、監査報酬が伸び悩んでいることが原因です。
欧米の半分といわれる日本の監査報酬が上がる方向性は見えず、一方で監査の厳格化によるコストの増大が続いています。監査法人の経営は厳しさを増しているといえるでしょう。
しかし、こうした中で監査法人に批判的な声もあがっています。中には「金融庁の手先」「国家による企業スパイ」といった極端な表現すら見受けられます。むろん、これらの批判が当たっているとは思えませんが、監査という業務の社会的価値が十分認知されているとはいえない状況であることもまた事実です。
また、監査という仕事に魅力が感じられないという声も身内の公認会計士からあがっています。「所詮は粗探しに過ぎない」という指摘は少なくありません。4大監査法人出身で現在は独立している会計士の多くも、仕事にやりがいが感じられなくなったことを辞めた理由としてあげています。
監査法人側にも自らを変える努力が求められているのかもしれません。外的な環境の悪化は、内的な改善によって乗り越えなければなりません。監査法人は今、さまざまな意味で自己変革を迫られているといえるのではないでしょうか。(月刊シリエズ編集部)
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会計事務所も避けて通れない国際化と異業種参入 [業界動向]
先日、イギリスの大手法律事務所が日本の法律事務所を吸収・合併することが新聞紙上で報じられました。吸収・合併するのはリンクレーターズで、同事務所は弁護士2,000人規模で世界で5本の指に入る大手国際事務所です。他方、吸収されるのは三井安田法律事務所で、こちらも国内では6位の大手事務所です。
この吸収・合併は、日本の弁護士の直接雇用を解禁する改正外国弁護士法によって可能になったもので、同法の適用第1号となりましたが、今後こうした動きはさらに広がっていく可能性があります。ビッグフォー系の法律事務所なども動き出すことが十分考えられます。
会計事務所業界ではすでに国際会計事務所が日本市場に進出していますが、今後はアメックスのような異業種が新たに進出してくることも考えられるのではないでしょうか。また、国内でも異業種がいつ進出してきてもおかしくない状況になっています。
国際化と異業種参入。この2つのキーワードはどの業界も避けて通れぬテーマのようです。
金融界では東京三菱によるUFJの吸収合併などというあっと驚く動きもありました。何が起こってもおかしくないというのが今の時代のトレンドかもしれません。変化の動きを注視していくことがこれからはますます重要になりそうです。
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「会計参与」で巨大税理士法人が誕生する!? [業界動向]
法制審議会会社法部会が打ち出した「会計参与(仮称)」は、税理士・公認会計士が取締役とともに財務諸表を作成し、これを保存、株主等に開示する制度です。この制度新設に日税連は、もろ手を上げて歓迎。会計士協会との間でも、話がついているといわれています。
公認会計士協会としても来るべき「5万人時代」の職域拡大が念頭にあるため、合意に達したのではないかといわれていますが、いずれにしても制度創設は税理士・会計士双方とも歓迎というところでしょう。
気になるのは会計参与の報酬ですが、一説には「社外重役的な立場なので、300万円、500万円といった数字になるのではないか」という見方があります。こうした見方が当たっているかどうかは定かではありませんが、少なくとも現在の税務会計の顧問料より高くなるのは間違いなさそうです。
このように、一見すると制度創設は会計事務所にとってよいことずくめのようにも思えますが、実際にはそうばかりとはいえません。というのも、実際に会計参与となれるのは限られた事務所になると見られるからです。
報酬額が大きくなれば当然、企業側も事務所選びに慎重になります。地域や業界内で信頼がある事務所、また金融機関の信用がある事務所といった点が最低限の条件になるでしょう。信頼という点ではやはり大きい事務所、それも税理士法人ということになるのではないでしょうか。
つまり、企業は大きな税理士法人を選ぶ。その結果、税理士法人が巨大化していく。かくして巨大税理士法人によるマーケットの寡占化、というシナリオも見えてきますが…。
いずれにせよ、会計参与の制度創設は業界に大きな変化をもたらすことになるのではないでしょうか。「税理士が商法上の地位を占め、社会的なステータスが上がった」などといって浮かれている場合ではないと思われますが、皆さんはどのようにお考えでしょうか。(月刊シリエズ編集部)
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「会計参与」で税理士業務が変わる!? [業界動向]
先週13日(日)の日経新聞は「会計参与(仮称)」の制度が2006年度中にも創設されると一面で報じました。これは法相の諮問機関である法制審議会会社法部会が会社法制の現代化に関する要綱の中で打ち出したもので、税理士や公認会計士が取締役と共同で財務諸表を作成する制度です。
部会ではこれまで株式会社と有限会社の一体化、最低資本金の廃止、会社財務の透明性強化といった方針を打ち出しています。このうち財務の透明性強化の具体策として示されているのが会計参与というわけです。
公開企業などの大企業には会計監査人がいますが、中小企業ではこうした仕組みがありません。このため財務諸表の信頼性が担保されないという問題があります。そこで、中小企業の会計の信頼性を高めるために会計参与を創設するというわけです。
これは税理士にとっては画期的なことです。これまでの税務申告のための財務諸表の作成とは異なり、この会計参与では税理士に商法上の位置付けを与え、会計の証明業務が新たな職域となるからです。
もちろん、現状ではこの制度が具体的にどのように運営されるのか不透明な面もあります。従来の顧問業務と会計参与の関係がどのようになるのか、また原案では会計参与の任期と報酬は取締役と同様の規律に従うものとされていますが、中小企業にそのような負担が可能かどうかなど、疑問も残ります。
少なくとも今の段階では、この制度がうまく機能し、定着するとは言い切れません。中小企業の側からすれば、単に負担が増えるだけとも見られますし、新制度の必要性も実感できないかもしれません。
とはいえ、こうした制度が誕生することによって、会計事務所のマーケットが大きく変わることは間違いありません。時代が大きく動いていることを実感させるニュースだとはいえそうです。(月刊シリエズ編集部)
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税理士登録者数と税理士法人数の関係 [業界動向]
日税連は、ホームページ上で税理士登録者と税理士法人の届出数を公表しています。それによると今年4月末の時点での税理士登録者数は67,325人、税理士法人数は主たる事務所が693件、従たる法人が248件となっています。登録者数ではいよいよ7万人時代が近づき、税理士法人も700件が間近となってきました。
税理会ごとの分布を見ていくと、登録者数の最も多いのは東京税理士会の17,915人(全体の約27%)、次いで近畿税理士会の12,802人(約19%)、関東信越税理士会の6,933人(約10%)、東京地方税理士会の4,367件(約6.5%)と続きます。千葉県税理士会が独立して以後、順位の変動はなく、特に目立った変化もありません。
これに対して税理士法人数ではこれとは順位が変わります。トップの東京税理士会(213件)、2位の近畿税理士会(94件)、3位の関東信越税理士会(68件)までは変わりませんが、これに続くのは名古屋税理士会(54件)で、その後は北海道税理士会(40件)、そして東京地方税理士会と東海税理士会(ともに38件)となっています。
税理士登録者数では6位の名古屋税理士会が税理士法人数では4位、同じく11位の北海道税理士会が5位になっているわけです。特に北海道税理士会は、税理士登録者数では全体の約2.9%に過ぎませんが、税理士法人数では全体の約5.7%と、倍近くにも数値が跳ね上がっています。
税理士法人の実態は親子や勤務税理士のパートナー化などさまざまですから、一概に法人化が先進的とは言えませんが、北海道の場合には大型事務所が多いことから税理士法人の比率が高いように思えます。また、名古屋は業界の激戦区で、比較的経済活動が活発なこともあって競争力をつけるために法人化が進んでいるようです。
このように地域経済や地域のさまざまな事情が税理士の世界にも影を落としています。これからの競争では地域ごとに戦い方も変わってくるかもしれません。(月刊シリエズ編集部)
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監査人はなぜ交代したのか? [業界動向]
先週、日本公認会計士協会は「監査人交代の経緯等に関するアンケート調査結果」を公表しました。これは、監査人の任期途中での交代が増加し、中には交代後まもなく会社が倒産するといったケースもあるため、監査人交代の経緯及び前任監査人と後任監査人の業務引継ぎについて調査を行なったものです。
この調査の結果、監査契約の解除となったケースのうち73.3%が会社側からの通知で、監査人側からの通知は26.7%であることが分かりました。このうち、会社側から契約を解除したケースでは「親会社等の意向による監査人の統一」が最も多かった理由で、監査人側からの解除では「監査リスクが高くなった」が最も多かった理由でした。
監査リスクとは「監査人が財務諸表の重要な虚偽の表示を看過して、誤った意見を形成する可能性」を言います。いってみれば「危ない会社」とも見られるわけで、監査人から契約を解除された会社は倒産のリスクがあるといえるようです。このため最近では監査人の変更をチェックする投資家も多く、株価にも影響を及ぼしています。やはり一般には監査法人に見放されたと映るようです。
しかし、調査によると、前任監査人が監査リスクが高いとして契約を解除した会社を後任監査人が監査報酬を下げて契約している例が散見されたといいます。一方で前任監査人が報酬額を理由に契約を解除したケースも少なくない中で、こうしたダンピング的な行為が行なわれている点が危惧されます。
また、監査人の交代の理由の中には「会社と監査人の意見が合わない」「監査意見・指導が会社に受け入れられない」といった回答もあります。調査結果報告では「会社が複数の監査人候補者の中から、自らの意に沿った監査意見を表明する者を選択したのではないかというオピニオンショッピングの疑いがもたれることから、会社による変更理由の説明責任が問われる」としていますが、まさしくそのような疑いが払拭できません。
企業と経済の健全な発展のために、今後、監査業務はますます重要視され、世間の注目を集めることになりそうです。会社と監査人である公認会計士のモラルが問われます。(月刊シリエズ編集部)
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若手会計人はニッチを目指す!? [業界動向]
規制改革やインターネットの普及などによって、会計事務所業界も大きな曲がり角を迎えています。この変化は攻める側にとってはチャンスです。つまり、これから本格的に市場に参入する若手会計人にはさまざまな可能性があるわけです。
しかし、当の若手会計人の中にはこうした見方に否定的な声もあります。開業してもやっていける見通しがない、市場のほとんどを既存の事務所が押さえている中で出番がない、といったネガティブな指摘です。
確かに既存の事務所と同じ土俵で勝負するなら、こうした声もうなずけないことはありません。月次監査から決算・申告へという一連の業務を従来と同様の方法で提供していくのでは、既存の事務所のほうが競争力で勝るかもしれません。
若手が既存勢力と戦うためには土俵を替えるしかありません。従来型でないスタイルを確立することが成功への近道です。すでに成功を勝ち取っている事務所の大半独自のスタイルを築いています。
資金調達への特化、相続の土地の評価に特化などの業務特化、あるいはインターネット専門での業務の提供など、若手会計人の間にはこれまでにない試みがいくつも見られます。要は得意分野を持ち、これを特色として打ち出すとです。
これは必ずしも難しい分野にチャレンジすることではありません。難易度が高くないニッチも存在するはずです。一見、飽和状態のように見えるマーケットにも必ずニッチはあります。
また、時代の変わり目である今日では、かつてはできなかったことが可能になるケースも少なくありません。環境の変化は時に不可能を可能にするといってもよいでしょう。
問題はその変化をどう読むかにあります。今後もその変化を読んで従来にないスタイルのビジネスを創造する若手が増加してくるでしょう。そして、そうした若手がひとつの勢力になったとき、この業界にも劇的な変化がもたらされるのではないでしょうか。
いずれにしても今後の若手会計人の動向が注目されます。(月刊シリエズ編集部)
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監査法人も冬の時代!? [業界動向]
日本公認会計士協会は先ごろ、道路公団の会計関連業務の入札問題で、中央青山監査法人に厳重注意を行ないました。これは中央青山の2万6千円という落札価格が他の監査法人に比べて著しく低廉だったことを受け、実態調査に乗り出した結果下された処分です。
新聞紙上などでもこの「2万6千円事件」は報じられ、ネット上の掲示板では早速さまざまな書き込みが行なわれるなど、話題となっていました。調査の結果、中央青山では会議出席時間の2時間に報酬単価の1万3千円を乗じて応札額を決定したということですが、他社が45万円から500万円で応札しているのに比べると、いささか合点のいかない話といえます。
監査法人をめぐってはさまざまな不祥事や問題が起こっていますが、この事件もまたその信頼を損ねる一因になりそうです。これについては身内の公認会計士の間でも批判が高まっています。
監査法人や公認会計士には相次ぐ不祥事もあって厳格な監査が求められています。しかし、厳格な監査をしようと思えば当然コストがかかります。ところが、監査報酬が上がる兆しは一向に見えません。こうした中でこのようなダンピングまがいの事件が起これば、まさしく自らの首をしめるようなものだというわけです。
ここのところ監査法人を替える企業の動きも目立っています。大手から中小に、あるいは個人や中小から大手監査法人に会計監査人を変更しています。これにはさまざまな要因がありますが、監査法人間の競争が厳しくなっていることは間違いありません。
折りしも、平成15年公認会計士第3次試験の合格者が発表されましたが、晴れて試験に合格した人たちにとっても、その将来は、ばら色とは言い切れないようです。(月刊シリエズ編集部)
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注目される監査法人の動向 [業界動向]
3月9日、東証1部上場の(株)キャッツの粉飾決算であずさ監査法人の代表社員が逮捕されました。その後の調べで、この粉飾は、逮捕された代表社員の発案だったことが明らかになり、あずさ監査法人は大ピンチに陥っています。何せ逮捕された人物が代表社員ですからことは重大です。
この事件はいささか特異な例ですが、このところ監査法人が何かと話題になっています。海外では、エンロン事件。日本では、りそなの破綻をきっかけに監査法人が俎上に載るようになったと思われます。
足利銀行を巡っては一時、監査法人の監査と金融庁の検査が食い違うといった場面もありましたが、金融庁、金融機関、監査法人、この三者がセットで報道されるケースが目立ちます。そうした中で、4月1日には金融庁が監査法人の監督を強化する公認会計士・監査審査会を発足させます。監査法人にとってはこれからが正念場ということになってくるでしょう。
他方、新聞報道によると、過去1年間で公認会計士の変更があった企業は前年同期比より11社多い95社に上ったといいます。この中には監査法人が自ら監査をおりた企業もあります。つまり、危ない会社からは撤退する動きが見られるわけです。
監査法人としては監査リスクの軽減を図ろうというわけですが、これは経営の観点から見ると痛し痒しといったところかもしれません。危ないところを切るのは簡単かもしれませんが、その分、減った報酬を穴埋めするのは容易ではありません。監査報酬の底上げも業界の外ではまったく話題に上っていませんから、その実現も危ぶまれます。
一説には、「現在の4大監査法人の体制も早晩崩れる」という声までありますが、いずれにしても監査法人の経営は決して楽ではありません。今後は一層のスリム化を図るという事態も考えられます。
こうした変化は当然、独立系の会計事務所にも影響を及ぼします。監査法人をめぐる一連の動きは決して対岸の火事とはいえないでしょう。(月刊シリエズ編集部)
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