信金から断られた融資、都銀でOKになった事例 [事例でみる資金調達コンサル]
N社は創業2年目のITベンチャー企業です。第1期目の売上高は約4,000万円で、利益も出ました。これまでに信用金庫から信用保証付融資を2,000万円ほど受けています。設備投資と研究開発の結果、遂に大手企業からの引き合いがきました。
N社の技術を認めて、取引したいという大企業が現れたのです。N社にとっては会社を大きくするチャンスです。しかし、3,000万円の投資と運転資金が必要でした。そんな大金はありません。そこで、N社の社長は、すぐに付き合いのある信用金庫に相談しました。
ところが、回答は「NO」です。「貸したばかりなので、もう少し返済して下さい」。信用保証協会の回答も同じです。
N社から相談を受けたのはそんな時でした。実はこの社長はアジア出身の外国籍の方で、2,000万円の融資を受ける時も大変な思いをされたそうです。
担当者は口には出さないものの、どうやら「外人だから…」という理由で差別的な待遇を受けたということでした。当時、自己資金は十分にありながら、連帯保証人を2人も出して、ようやく2,000万円の融資を受けることができたのでした。
これには私も「かなり難しいですよ。私も心当たりの金融機関を当たりますから、社長も地元の金融機関に足を運んで相談してみて下さい」と言うしかありませんでした。社長の熱意に押されて、私もできる限りのことをしようと思いました。しかし、創業2年目の会社で、すでに2,000万円の融資を受けていて、さらに3,000万円の融資が必要とは無茶な話です。
しかし、この社長は諦めませんでした。せっかくチャンスが近くにやって来たのです。何度も銀行と交渉を続けました。しかし、銀行にもできることとできないことがあります。結局、どこの銀行も融資はしてくれませんでした。
ある時、N社に突然の訪問者がやってきました。ある大手都銀の渉外担当者でした。しかし、その大手銀行は社長が相談に行って門前払いを食らった金融機関です。これも何かの縁でしょうか。それがきっかけで、担当者はN社のことを大いに気に入り、その結果、なんと3,000万円が融資されました。もちろんプロパー融資です。
(吉田学・資金調達コンサルタント)
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信用保証付き融資は「信用保証協会」にリスケの打診 [事例でみる資金調達コンサル]
Y社はIT系ベンチャー企業で、役員だけで事業を行っている小さな会社です。新規事業が思うように上手くいかず、売上・収益ともに非常に厳しい状況で、借入金が約4,700万円ありました。メイン行から4,000万円、国金から700万円です。
短期で売上高を上げることは難しい状況で、新規の融資申請も断られてしまいました。とうとう金融機関への返済もできなくなって、もうリスケをするしかない状況に追い詰められました。
リスケの打診をしたところ、交渉を続けた結果、国金は何とかリスケに応じてくれたそうです。しかし、メイン行がまったく交渉のテーブルに乗ってくれません。理由は、 「信用保証付き融資は無理です」の一点張りです。
そんな時に私のもとにいらっしゃいました。詳細を聞いてみると、このメイン行からの 借入れのうち3,000万円は信用保証協会の保証付き融資でした。そこで、まずは「この3,000万円については、メイン行ではなく、信用保証協会にリスケ交渉してください」とアドバイスしました。
結果、信用保証協会からは「OK」の返事を難なくもらえました。その回答をもって、今度はメイン行に再度交渉したのです。「信用保証協会がリスケに対応してくれると言いました。保証付き融資のリスケが無理なんてウソじゃありませんか」と強く迫ったところ、結局メイン行もリスケに応じざるを得なくなったのです。しかも、プロパーの1,000万円もリスケに応じてくれました。
このように、信用保証付き融資の場合は、「信用保証協会」にリスケの打診をするのです。意外と親切に対応してくれることが多いと思いますよ。
(吉田学・資金調達コンサルタント)
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なんどもなんどもトライする経営者 [事例でみる資金調達コンサル]
T社は受注型生産を主とする中小製造業者です。ずっとお客様の注文依頼を受けてから生産する方式を採っていましたが、バブル経済崩壊以降、受注が急激に減り、売上も激減、その後も何とかがんばってきましたが、事業の転換を迫られていました。
そこで、T社は「自ら製品開発をして、独自の製品や技術を売り込む」という方針を打ち出しました。それまでに培った技術力は素晴らしいものです。社長をはじめ、従業員が一体となってアイデアを出し合い、さまざまな製品開発を行いました。そんな時、顧問税理士から「補助金を申請してみたらどうですか?」という提案を受け、私に相談にみえたのです。
ヒアリングしたところ、確かに技術力は素晴らしそうです。銀行もT社の技術力を評価して、融資しています。そこで、現在実施中の技術開発について補助金・助成金を申請することを提案しました。
残念ながら結果はダメでした。しかし、それからの社長の粘り強さは目を見張るものがありました。その後も継続してご自分で申請書を作成し、年に2~3つの制度を申請し続けました。結果は初年度、2年目も全滅でした。
「吉田さん、なかなかもらえないものなのですね…」と少々お嘆きのご様子でしたが、それからも申請し続ける意思は変わりません。そこで、再度私も申請書作りに協力し、3年目にも3つの制度に申請しました。その結果、ある制度から500万円を受給することができました。これも社長が、中長期的視野に立って、申請し続けた結果です。一度だけ申請し、ワクワクしながら結果を待つもの悪くありません。しかし、この事例にもあるように、一度だけではなく何度か申請し続けることが重要だと思います。
助成金を申請して駄目だったとしても、あなたの“会社”が否定されたわけではありません。たまたま現在行っている“事業”が助成対象にならなかっただけのことです。だから何度でもチャレンジしましょう!
(吉田学・資金調達コンサルタント)
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リスケの基本知識は経営者なら知っておくべき [事例でみる資金調達コンサル]
Oさんは、小さいながらも夫婦で事業を営んでおり、従業員も数人います。順調に業績を伸ばしていたのですが、取引先の倒産などが重なって、金融機関への返済がそれ以上できなくなりそうな状態でした。
初めてお会いした時、Oさんはかなり落ち込んだご様子でした。「一度は自殺も考えました…」と話され、その様子から、会った時は「これはかなり難しい案件かな…。他の専門家を紹介した方がいいかもしれない」と思ったほどです。
しかしながら、詳細を聞いてみると、現在の借入金は、国民生活金融公庫の2,000万円だけでした。(個人事業のような零細事業者にとって「2,000万円」は重い金額ですよね。)しかも、これは2回目の借入れで、1回目の借入れはすでに完済していたのです。新たな借り入れをして、さらに業務を拡大しようとしていた矢先、 取引先が連続倒産したのでした。さらなる借入れを打診したものの断られてしまい、さまざまな事情を顧問税理士とも検討した結果、新たに借り入れをしてこの場をしのぐより、リスケをすることを考えたようです。私も詳細な話を聞いて、リスケが適切な措置だと思いました。
私は「国金に、素直に返済額の減額をお願いしてみたらどうですか? これまでの実績もあることだし、積極的に相談に乗ってくれるはずですよ」とOさんご夫婦に話しました。
Oさんご夫妻ははじめ、「そんなお願いを聞いてくれますか? 裁判所に呼び出されて犯罪者になるのではないですか? 多くの経営者が自殺しているじゃありませんか?」と懐疑的でした。しかし、国金にリスケのお願いをしたところ、ご本人の真面目な姿勢が伝わり対応してくれたのです。
しかし、国金が常に対応してくれるわけではありません。基本的には民間金融機関より、渋いです。「うちは政府系金融機関だから、リスケに応じることは出来ません。民間銀行さんの借入をリスケして、その分、うちのは全額返済して下さい」というような主旨のことを言われることが実際は多いようです。
経営者にとって、リスケの基本的な知識は絶対に必要です。間違っても自殺なんて考えてはダメです! 銀行は命まで取りません。
(吉田学・資金調達コンサルタント)
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地銀に断られた融資なのに都銀で可能に! [事例でみる資金調達コンサル]
もう今から、約3~4年くらい前の話です。(現在の金融状況だとさほど珍しいことではないのかもしれません。)
Y社は業歴20年の中小製造業です。おもに地元の地方銀行をメインに信用金庫、国民生活金融公庫、中小企業金融公庫などの金融機関と取引がありました。業績は不況の影響を受け、決してよいとは言えません。しかし、二代目社長の頑張りにより、売上高は何とか横ばい状況です。二代目社長は売上アップを図るために、新規事業を興そうと考えていました。そこで、メインの「地方銀行」に相談しましたが、あっけなく断られたそうです。
そこで、二代目社長とオーナーから相談を受けました。「絶対、支援してくれると思ったのに…。支店長が替わったとたん、急に冷たくなったのです。どうしてでしょうか?」とかなりがっかりした様子です。
しかし、決算書を見ると、決して現在お付き合いのある金融機関が“貸し渋り”をしているとは思えません・・・。現状で貸すことのできる限度なのかもしれません。支店長が替わったことが、実際どこまで影響しているのか・・・??何ともいえない状況でした。
そこで、私は「それじゃ、都市銀行さんにお願いしてみたらどうですか? 決算書もどうしようもないほど悪いわけではないし、御社ほどの技術力があれば、どこか支援してくるところがありますよ」とアドバイスしました。そのときの二人の表情ときたら、もう呆気にとられていました。「吉田さん、当社はメインの地方銀行に断られた会社ですよ。しかも、そことは20年の付き合いです。こんな零細企業にお金を貸す都市銀行なんてあるわけないでしょう? 恐れ多くて都市銀行なんて行けませんよ」と反論されました。まあ、当然なのかもしれません。Y社は今まで都市銀行との付き合いは一度もありません。都市銀行は、「大企業にしか貸さない」と思っていました。
結局、メインの地方銀行に再度交渉したのですが、融資どころか、却って「もう少し返済して下さい」とまで言われてしまいました(銀行が言わんとしている本質は別にあるのでしょうが・・・)。諦めたY社は、私に言われたとおり都市銀行に融資を申し込みました。
そして、結果として1,000万円の融資を受けることができました。しかし、これは決して珍しい話ではありません。なぜなら、当時「三井住友銀行」さんが、ビジネスセレクトローンを開始した頃だったのです。スタート当初でしたので、結構、派手に融資を行っていました(笑)。
経営者として大切なのは、“金融環境の変化を出来る限り素早くキャッチする”ということなのでしょう。チャンスを逃すかもしれません・・・。情報収集を怠ってはいけません。
(吉田学・資金調達コンサルタント)
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自己資金の範囲でしか融資できない!? [事例でみる資金調達コンサル]
Mさんはあるフランチャイズ本部に加盟して、すでに開業の準備に入っていました。しかし、開業資金があと400万円ほど不足していたので、それは借入金で賄う計画でした。そこで、国民公庫に申請したのですが、断られてしまったそうです。
知人の紹介で私に相談にきたのは、そのFC本部の社長さんでした。「吉田さん、何とかなりませんか?もう加盟金ももらっちゃったし」とかなり慌てた様子です。
結局、信用保証付き融資を申請することになりました。創業者向けの融資の詳細を確認してみると、無担保・無保証人制度の場合は、「自己資金額の範囲内でしか融資をしてくれない」という条件がありました。現金400万円の自己資金を持っているMさんにとっては問題ないように思われます。しかし、K県のこの制度は、「個人的な債務の2年分合計額を差し引いた額を自己資金とする」という規定があったのです。さてMさんには毎月5万円の住宅ローンがありました。よって120万円を差し引かれるので、280万円が自己資金として判断されるわけです。
そこで私は「Mさん、親、親戚、知人にお願いして120万円をかき集めて来て下さい。 たしかに“見せ金”ですが、ないよりあったほうが交渉できますから」とアドバイスしました。
Mさんは、何とか120万円かき集めました。やはりこの120万円の出所に関してかなり突っ込まれましたが「一生懸命に努力を重ねて、協力してもらったお金です。冷たいことを言わずに何とか何とかお願いします!」と何度も説得しました。多少時間はかかりましたが、無事400万円の融資を受け、開業することができました。
見せ金は、あくまでも見せ金かもしれません。しかし、その“見せ方”で、見せ金も意味を持つようになるのです。この意味わかりますか??
(吉田学・資金調達コンサルタント)
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女優の演技義力で融資が可能に!? [事例でみる資金調達コンサル]
Mさんは、主に女優業を中心に活躍されていた芸能人です。別段引退したわけではなさそうでしたが、都内にショップを出す計画があるということで、知人の紹介で相談を受けました。すでに内装も済んでおり開店準備は順調です。しかし、資金が足りなくて困っているとのことでした。「お金はあるのだけれど、これ以上は自分のお金を使いたくないの。やはり銀行さんから借入したいと思いましてね…」
たしかに間違いではありません。例えば、開業資金全額を親から借りて事業を始める方もいるようですが、銀行からお金を借りて事業を行うより、いろいろと甘えが出るようです。「親からもらったお金だから、失敗しても許される」と考えてしまうのかも しれませんね。その点、第三者からお金を借りるということはある意味、リスクを負う ことになります。緊張感が違うのでしょう。
さて、このMさんは、共同経営者が銀行や国民公庫に交渉したそうですが、様々な事情によりお金を借りることができませんでした。
そこで私は、「Mさんもいっしょに国民公庫に行ったらどうですか? その時は女優に なって下さい。Mさんの顔を担当者の顔に30センチ近づけて、説得してみて下さい。セクシーにですよ」と提案しました。
“ちょっと悪ノリし過ぎたかな”とも思いましたが、結局、何度かMさんが交渉した結果、融資を受けることが出来たのです。単に「何度も足を運んで説得した」という事例では ありませんが、こういうこともあるのです。共同経営者は「世の中、こんなものかぁ」と 憮然とした表情です。それに対して、Mさんは「私は女優よ」という感じです。この事例はちょっと特殊かもしれませんが教訓的に言えば「演技も必要」と言うことでしょうか。
(吉田学・資金調達コンサルタント)
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見せ金はダメといわれた。でも、こんな事例も・・・ [事例でみる資金調達コンサル]
Sさんはあるフランチャイズで独立開業を予定していましたが、「国民生活金融公庫で融資を断られた」ということで、私の所へいらっしゃいました。しかし、よくよく聞いてみると、自己資金は50万円で「1,000万円」を調達しようとしていたのです。かなり無茶な方です。
また、きちんと試算してみると、開業資金500万円もあれば、運転資金も十分賄えることが判明しました。そこで、あと最低50万円を何とか用意するように提案したところ、「“見せ金”はダメだって、以前相談した税理士さんに教わりましたが…・・・」と言うのです。
たしかに、これはいわゆる“見せ金”と判断されるかもしれません。ちなみに「自己資金」とは、読んで字のごとく「自分の資金」です。これは実際には“通帳で確認できる自力で貯めた現金”のことを指します。出所のわからない自己資金は自己資金と認めてくれない場合がありますから、注意が必要です。
「親兄弟、親戚に何度も何度も頭を下げてお願いして、何とか用意した現金です。私の努力を認めて下さい」という姿勢で説得すれば、実際何とかなる場合もあります。
親兄弟から調達した資金は、俗称「準自己資金」などと呼ばれています。これもある意味では自己資金なのです。
結果としてSさんは、400万円の融資を受けることができました。ただし、Sさんは5回ほど国民公庫に足を運び、担当者を説得し続けたのです。こういう努力を忘れてはいけませんね。
国民公庫総合研究所の「新規開業実態調査」によると、開業資金総額に占める自己資金の割合は27%です。自己資金以外には、金融機関からの借入が52%、その他が21%です。その他とは、親兄弟からの出資、あるいは無期限無利息の借入金などです。
(吉田学・資金調達コンサルタント)
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国民公庫の担当者から信用保証の利用を勧められ [事例でみる資金調達コンサル]
Yさんは開業2年目の事業家で、雑貨ショップを経営しています。売上げは順調です。やっと利益が出るようになり「さぁ、これからだ」というところでした。
開業資金として国民生活金融公庫からすでに800万円借入れをしていましたが、新たなカテゴリーの商品を仕入れたいということで、500万円の資金調達を検討していました。その他の金融機関からの借入れは一切ありません。保証人になってくれる方はいないようなので、まずは信用保証付きの融資を申請することにしました。
「売上げも順調に伸びていて、利益も出ているから、保証人がいなくても信用保証だけで3~500万円くらいなら大丈夫かな?」と思っていました。しかし後日、Yさんから「保証協会からダメだって言われました」と報告がありました。
「どうしてだろう……?」
理由はこうでした。Yさんが国民生活金融公庫から借りた800万円は、信用保証を付けて借り入れていたというのです。どうやら当時、国民公庫の担当者から信用保証の利用を勧められたようです。「借りることができるのなら、よく分からないけどそうします。」ということで信用保証を利用したのです。
その結果、銀行経由の信用保証付きの融資を申請したところ、「昨年、800万円の借入れを保証したばかりなので、もう少し様子を見させて欲しい」という回答だったのです。
私もヒアリング時に、これには気付きませんでした。すっかり、保証人だけで国民公庫から融資を受けたのだと思っていました。
結局、別の方法を検討して何とか資金調達はできたものの、こういうケースもあるということをみなさんも知っておいて下さい。きっと役立つことがありますよ。
(吉田学・資金調達コンサルタント)
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「国民生活金融公庫法第一条」を知っていますか? [事例でみる資金調達コンサル]
KさんはO県で活躍する税理士さんです。知人からの紹介で、私のもとに相談にきました。Kさんからの相談は、以下のような内容です。
「私の顧問先が資金繰りで困っています。事業を立ち上げて3年目になりますが、国民生活金融公庫からの借入れがなかったので融資を申し込みました。しかし、あっけなく断られました。赤字だからダメだって言うんですよ」
Kさんも社長さんと、事業計画や資金繰り表を作成して何度も国民生活金融公庫に足を運びがんばったそうです。それでも回答は「NO」で、どうしようもない状況だったそうです。そこで私は、Kさんにあるノウハウを授けました。それが「国民生活金融公庫法第一条」です。
国民生活金融公庫は、独立して継続が可能な事業について当該事業の経営の安定を図るための資金、生活衛生関係の営業について衛生水準を高めるための資金その他の資金であつて、一般の金融機関からその融通を受けることを困難とする国民大衆が必要とするものを供給し、もつて国民経済の健全な発展及び公衆衛生その他の国民生活の向上に寄与することを目的とする。
「いいですか。Kさん。その社長さんといっしょに国民公庫に交渉してあげて下さい。基本的には赤字が多額なので、たとえ国民公庫でも融資はしたくないでしょう。やはり断られるはずです。その時に、社長にはちょっと席をはずしてもらい、担当者の耳元でこう囁いてください。『このままでは社長は自殺してしまう
かもしれません。つい先日も仲間の税理士の顧問先が自殺してしまったんですよ。いや悲惨だった…。国民生活金融公庫法第一条には“国民大衆のために寄与する”と書かれているじゃありませんか! 何卒検討してくれませんか?お願いします』と深刻な顔をしながら頼み込んでみて下さい」
その結果、わずかですが「500万円」の融資を受けることができたのです。嘘のような本当の話です。
この「国民生活金融公庫法第一条」とは、国でいうと“憲法”です。その憲法に違反すれば、これは罪です。最高の“掟”のようなものです。だから、これに則った運営をしなくてはいけません。
※注意!
しかし、注意も必要です。この「国民生活金融公庫法第一条」を乱用してはいけません。国民生活金融公庫の担当者だって不愉快に思います。「おめえら、税金で飯くっているのによ~」と公務員が言われるのと同じくらい気分の悪いことでしょから・・・。
それと、当然ですが、破産寸前までに財務が悪化した会社はこの手を使っても無理ですからね。無理なものは無理です。そういう時は、ある程度の会社なら事業再生プランを試みましょう。
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“借り換え”も立派な資金調達の一手法 [事例でみる資金調達コンサル]
T社は、ある地方の年商10億円の中小企業です。社長は40歳くらいの方で、会社を短期間で大きくしました。しかし、その“ひずみ”でしょうか。もうちょっとで事業は好転するところまで来たというときに、貸し渋りにあってしまったのです。
困った社長は、顧問税理士に相談してみましたが、「何しろ、頑張って毎月返済しましょう」と励ますばかりでした。
次に、商工会に相談に行ったところ、一言、「銀行にリスケをお願いするしかないのかな。この状況では毎月の返済ができないでしょう」とアドバイスを受けたそうです。それ以上でもそれ以下でもなかったそうです。これでは、ほとんどアドバイスになっていませんね。
あちこち回りに回って、知人の紹介で最終的に私のもとに相談にみえました。地方には、総合的に資金に関する相談のできる専門家が少ないようです。私が、初めてこの社長とお会いした時には、もう顔面蒼白の状態でした。「可哀想に…」と思ったものです。
しかし、決算書を見てみると、借入金の5千万円分は、個人とノンバンクからの借金でした。金利が約8%、しかも、あと2年で返済しなければなりません。そこで私は、「政府系金融機関に借換を打診してみましょうか。リスケも一つの手段ですが、やはり最終手段としたいですよね。出来そうなことは試しましょう」とアドバイスしました。その社長は「はあ、そんなことできるのですか…?」という表情です。
結果として、借入金の8千万円は「金利3%、5年返済」で借換をしていただくことができました。これで、毎月約220万円の返済が90万円になったのです。
毎月の返済額が130万円も減少したことになります。年間130万円×12ヵ月で「1,560万円」の資金調達をできたことと同じです。
銀行への条件変更も状況に応じて必要ですが、こういう手法も利用できるのなら試してみましょう。現在、「借換保証制度」というものもありますので、取引先銀行や信用保証協会に聞いてみてください。
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社長の岩をも通す一念、信用保証協会に乗り込み… [事例でみる資金調達コンサル]
K社は、設立2年のサービス業者です。決算状況は、借入金は全くありませんが、年商500万円で債務超過…、瀕死の重傷ですね。この状況で私に相談しにきたのです。
当然ながら国民公庫はダメ、信用保証付き融資を取引先金融機関から申し込んだのですが、やはりダメ。「あと半年頑張れば売上も上がるのに、なぜ理解してくれないんだろう。銀行だって『保証協会がね…』と言うばかりだ」とお怒りの模様でした。
私も神様ではないので、“どんな会社でも助けることができる”というわけではありません。しかし、あと半年すれば、毎月100~200万円の売上が立つということでした。有難いことに、取引先は優良企業です。そこで、再度チャレンジするにしても、最低でも、きちんと契約書も締結してもらうようアドバイスをしました。
そこで私は「社長、確かにこの状況では、普通に考えれば融資を受けることは難しいですよ。それに現在の取引先銀行には、残念ですがいくら言っても無駄のようです。よって、銀行が中々積極的になってくれませんので、信用保証協会に直接交渉してみましょうか? やるからには、一度や二度で諦めたらダメですよ。いいですか!!」とアドバイスしたのです。
その後の社長の行動は凄かったですね。信用保証協会から「もう来ないで下さい」と言われんばかりのストーカー的説得でした。5~6回ほど信用保証協会まで足を運び、また随時電話をいれて説得していました。提出資料だけでもかなりのものです。必要に応じて、事業の進捗状況もFAXしていました。
社長曰く、「何度も会っていれば相手も情がわいてくるものだ。最近は私が行くと笑顔ですよ。もう少しだな」。
結局、時間はかかりましたが、何と「600万円」の保証を取り付けてしまったのです。私も「こんなことがあるんだなあ」と感じた事例です。社長のがんばりがツキを読んだケースと言えますね。
(吉田学・資金調達コンサルタント)
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難しい事業内容には分かりやすい説明が不可欠 [事例でみる資金調達コンサル]
Sさんは新規開業予定者です。自治体の創業者向けの信用保証付き融資を申請したのですが、“自治体”で断られたというのです。「“自治体”で断られる」とは、一体どういうことでしょうか?
これは、都道府県によって名称や詳細等は異なることはありますが「各自治体の支援センターのような機関で委託を受けた“中小企業診断士”などの先生の審査を受けてパスしなければ、金融機関に融資の申込が難しくなる」というところがあり、これがまたややこしいのです。
いわゆる、市町村区レベルの制度融資ってやつですね。これが意外と厄介なんですよ。Sさんは、この窓口で先生に「この事業では無理です」と断られたようです。
さて、Sさんの専門分野は、かなり複雑なIT技術でした。私もよく分かりません。しかし、私の知り合いのIT技術者に聞いたところ「これからの分野で有望だよ。この分野は素人には分かりにくいだろうなぁ」とのことでした。
そこで、この窓口先生に再度アプローチをかけてみましたが、少々頑固なのか「ダメなものはダメ」でした。「事業計画に客観性がない・・・」、「こんなに利益が上がるわけがない」、「事業ドメインが・・・」などの理由だそうです。いかにも中小企業診断士の先生らしい指導でした(笑)。
そこで、私はその先生と同業者の仲間を探し出したところ、偶然にも知り合いがいたのです。その彼にお願いして、先生の説得にあたりました。また、そのセンターの上層部にも連絡して交渉を始めました。こうなるともう戦いです。
結局は受け付けてくれて、融資を受けることができました。こう話すといかにも簡単そうですが、それには色々な方の協力がありました。
こういうケースも稀にあります。実際、優秀な先生から素晴らしいアドバイスをもらえる場合もありますが、すべての先生がそうだと言う訳ではないのです。恐らくその先生は事業内容を理解できなかったのでしょう。はっきり言って“ピンキリ”です。
ある有名な中小企業診断士の先生が言っていました。
「本業が忙しい診断士はあまりそういう仕事しないでしょ・・・」。
なるほど、納得・・・。
しかし、これは提案する側(Sさん)にも問題はあると思います。難しい事業内容であればあるほど、分かりやすい説明が必要なのです。意外とこういうポイントがとても重要なのです。
先ずは、「30頁の事業計画書」より、「簡単にまとめた2~3頁の企画書」の方が相手に伝わりやすいのです。必要に応じて追加で「数十頁の事業計画書」を提出しましょう。
(吉田学・資金調達コンサルタント)
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メイン銀行がリスケに応じない。そこでこんな奥の手が! [事例でみる資金調達コンサル]
Y社はIT系ベンチャー企業で、役員だけで事業を行っている小さな会社です。新規事業が思うように上手くいかず、売上・収益ともに非常に厳しい状況で、借入金が約6,000万円ありました。メイン銀行から4,000万円、国金から700万円、残りはその他金融機関からです。
短期で売上高を上げることは難しい状況で、新規の融資申請も断られてしまいました。とうとう金融機関への返済もできなくなって、顧問税理士とも相談した上で、もうリスケをするしかない状況に追いつめられました。リスケの打診をしたところ、交渉を続けた結果、国金はなんとかリスケに応じてくれたそうです。顧問税理士の指導もあり、「先ずは政府系から…」という視点でリスケを進めていたようですね。
※実際は、国金さんにリスケを受け入れてもらうには、かなり交渉が必要です。「うちは政府系ですから、リスケは受けません」なんて言われた経営者もいるくらいですから!!
しかし、メイン行がまったく交渉のテーブルに乗ってくれません。理由は「信用保証付き融資はムリです。だから条件変更は無理。先ずは返済できるだけ返済してください!」の一点張りです。社長は「メインは理解してくれるだろう」と気軽に考えていて、それまでさほど積極的に話を進めていなかった様です。
そんな時に私のもとにいらっしゃいました。詳細を聞いてみると、このメイン行からの借り入れのうち約3,000万円は信用保証協会の保証付き融資でした。
そこで「この3,000万円については、メイン行ではなく、信用保証協会にリスケ交渉してください」とアドバイスしました。改善計画なども作成して、何度も交渉を重ねた結果、信用保証協会からは「わかりました」との返事を何とかもらうことができました。
その回答をもって、今度はメイン行に再度交渉したのです。「信用保証協会がリスケに対応してくれると言いました。保証付き融資がムリなんてウソじゃありませんか」と強く迫ったところ、結局メイン行もリスケに応じざるを得なくなったのです。
しかも、さらに何度も何度も交渉した結果、プロパーの1,000万円もリスケに応じてくれました。
このように、信用保証付き融資の場合は、「信用保証協会」にリスケの打診をすると、意外と親切に対応してくれることが多いと思います。だからといって、銀行に何も話もせずに、いきなり信用保証協会に交渉するのはナンセンスだと思います。
返済できなくなったのは経営者の責任です。「借りたものは返す」、これは社会の常識です。先ずは、そういう姿勢を銀行や信用保証協会に示す必要があります。
やはり経営者の姿勢も大切です…。(吉田学・資金調達コンサルタント)
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