ホリエモンは誰に対して何を売っていたのか? [関連情報]
ホリエモンことライブドアの堀江貴史氏が窮地に陥っている。17日、夕刻に東京地検の強制捜査が入り、今後証券取引法違反を切り口に捜査が進むことが予想される。堀江ショックというのか、ライブドアショックともいわれ、翌日の東証は 「売り」注文が相次ぎ、何と取引全体が停止する事態にまでなってしまった。
ここで、堀江氏の話をとやかく言うつもりはないが、もし、現在報道されていることが事実だとすれば、堀江氏は何を勘違いしてしまったのだろうかと思わざるを得ない。それはどういうことか。
彼はいわゆる実業家ではない。自分で何かを作り、それを売るというようなビジネスモデルで成長してきたのではない。企業価値を担保に金を集め、その金で別の企業を買収し、そのことにより株価をあげ、企業の売上や利益ではなく、時価総額という基準を市場に問い、それをビジネスモデルとしていたはずだ。
それはどういうことか。一般の企業であれば、例えば消費者のニーズを失ったとしても、従業員や取引先(金融機関を含め)の信頼を失わなければ、窮地に陥ったとしても、誰かが支援してくれる。だから、経営者は消費者はもちろんのこと、そうした関係者の信頼を失わないことを大事にしているはずだ。
ところが、堀江氏は本来、そうした取引先や従業員などはどうでもよいとしていた。それは、彼らからの「信頼」はたいした問題ではなかったからだ。信頼を失ったら、別の人間と取引すればよかったからである。
しかし、今回、報道が事実だとすれば、彼は一番大事なものの信頼を失うことになる。彼にとって唯一信頼を失っていけなかったのが、投資家だったはずなのだ。それを公表内容の情報操作したばかりか、投資家にとって一番重要な指標である決算書まで虚偽報告していたとすれば、信頼は失墜する。一番失ってはいけない対象の信頼を失うこと。それが彼の致命傷になるような気がする。
「お客様を大事にする」。それは企業にとって当たり前のこと。もちろん、お客様の信頼を失わないようにすることが求められる。しかし、それと信頼を絶対失ってはいけない相手が必ずしも一致するわけではない。今回のライブドア事件をそうした観点から考えてみることも重要なのかもしれない。








