シリエズ オンライン

会計事務所のための情報マガジン

シリエズ オンライン TOPページ | カテゴリー別| 月別バックナンバー| 記事一覧| メールマガジン| 当サイトについて|

「SYRIEZ ON LINE」は、アックスコンサルティング発行の会計人のためのコンサルティング情報紙「月刊シリエズ」編集部が配信するオンラインマガジンです。

日中外交を成功させた周恩来の気遣いにCSの原点をみる [事務所経営]

2005年10月05日

日中外交を成功させた周恩来の気遣いにCSの原点をみる田中角栄首相が訪中を敢行し、悲願の日中国交正常化を果たしたのが、1972年。今から33年前のできごとだ。その当時の担当者が中国側の対応を明らかにしたという。

それによると、当時田中訪朝の直前にはニクソン大統領の訪中も予定されており、2つの訪朝はほぼ同じ行程が組まれていたという。それは、中国がアメリカと日本を同レベルで考え、同レベルで対応しようとした表われである。

そして今回明らかになったこととして、当時の周恩来首相の行動がある。周恩来首相は元来、夜型の人間だったという。一方、田中首相は早起きだったため、周恩来首相は田中訪朝の一週間前から、早起きをして、スケジュールを調整していたらしい。そこまで気を配るだけ、中国側として成功を期し、その意気込みを感じさせるエピソードである。

そして、こうした気遣いこそがCSの原点である。相手の行動や嗜好を考慮し、それに沿う行動を取る。それがCSであることは間違いない。そこには相手に対する「優しさ」と「気遣い」が求められる。しかし、優しさは過剰になれば、相手の増長を 生む。「何でもやってくれる」という甘えになる。それは時にはトラブルの元になることも少なくない。

もちろん、相手側にも「気遣い」があれば、こうした増長にはなりえない。しかし、相手に気遣いを求めるのは難しい。だからこそ、そこには自らの「境界線」が必要なのである。どこまでは相手の要求に応じ、どこから要求を断るのか。それは今の言葉でいえば、コンプライアンスということにもなる。

コンプライアンスというのは「法令遵守」であり、法に対し厳守するということであるが、人間とした場合、自分の信念(方針)に対しコンプライアンスを守るかどうかということでもある。

サービス業においてCSは一番大事な考え方でもある。しかし、それを実践するためには、 法令だけでなく自らの「信念」に対するコンプライアンスを設定・遵守する必要もあるということである。そして、そのことはビジネス相手にだけでなく、仕事を 進めるうえで大事なことである。上司に相談するときのタイミング。他人に仕事を依頼する方法。気遣いとコンプライアンスが常に問われているのである。

中国と日本はいま、政治的にはあまり有効的な関係とはいえない。しかし、その一方で物凄い勢いでビジネス的交流は進んでいる。今の両者にかけているのは、日本側には周恩来首相がとったような「気遣い」であり、中国側にはコンプライアンスの徹底なのかもしれない。