資金繰りの相談に「いい加減にして下さい」と逆ギレする二代目の税理士 [税理士を替えた理由]
「やめときなさい」これが前税理士の口癖だった。新しい分野に挑戦しようとすると、決まって止められた。たしかに勢いあまって無謀な新規事業に走りかけたこともある。しかし、本当は「もっと前向きな意見が欲しかった」と感じていた。そんなおり、顧問税理士の息子が税理士となり、担当としてやってきた。まだ20代。若い世代の新感覚を期待したのだが…。
ネガティブ発言の真意は…
Yさんは、首都圏郊外で土木建築業を営み20年になる。創業時から付き合いのある顧問税理士は、地元では有力な事務所の一つに数えられ、職員数も20人を超える中堅事務所の所長だ。Yさんとは、年齢も60歳代同士でビジネスパートとして信頼関係を構築していた。「ちょっと高いかな」と感じていた顧問料も「まあ、安心料ですね」といった意味で支払っていたと言う。
しかし、こうした良好な関係も景気の低迷とともにギクシャクしてきた。売上減に頭を悩ますYさんは、たびたび税理士に相談したが、明確な答えは返ってこなかった。さらに、現状を打破するための新しい戦略を披露したときには「やめておいたほうがいいでしょう」と簡単に言われ、ひどく失望したのを覚えている。
そんなおり、担当が二代目の息子に替わった。まだ20代。年齢差はあるが、若さに期待し、担当替えを歓迎した。Yさんは、コミュニケーションを深めようと二代目税理士の訪問のたびに相談や雑談を重ね、世代ギャップを埋める努力をした。
ところが、ある日、資金繰りの相談をもちかけたところ、「もう、いい加減にして下さいよ。そうした相談は受けません」と二代目税理士は突然キレたのである。呆気に取られたYさんは、しばらく何があったのかわからなかったとという。訪問の度の雑談や相談がうっとうしかったのだろうか…。
しばらくして、Yさんは気がついた。二代目税理士は虚勢を張っていたのだということを。自分にできない相談を持ちかけられ、困っていたのだろう。思えば、先代の税理士もそうだった。
「やめておきなさい」が口癖で、いつもはぐらかされてきたとYさん。「思い出してみれば、結局、何もしてくれませんでしたね。景気のいい時はうまいことを言ってきて、こちらがピンチになるとうっとうしいいと遠ざける」
その理由は、能力的に対応できなかったからではなかったか。そう考えればつじつまが合うことが多かった。Yさんは税理士を替えた。
現税理士は、DMで自ら売りこんできた30歳代の若手だ。営業をかけてきた時点で頼もしいと感じ、かつ謙虚な姿勢に教養と知性が漂っていたとYさんは現税理士を評価する。「デキル」と見こんだYさんは未知数だが、顧問契約を結んだ。フットワークの軽さに期待しているという。
●関与先データ
・業種…土木建設業
・創業…1980年
・資本金…3,000万円
・経理担当者…経理社員
●税理士データ
【前税理士】
・顧問料…7万円
・決算料…45万円
・訪問頻度…毎月
・関与年数…20年
・2代目の息子に担当が替わった
・能力と言動が一致していない
・考え方がネガティブ
【現税理士】
・顧問料…5万円
・決算料…25万円
・訪問頻度…毎月
・関与年数…2ヵ月
・低姿勢で謙虚
・軽いフットワーク
・若い








