難しい事業内容には分かりやすい説明が不可欠 [事例でみる資金調達コンサル]
Sさんは新規開業予定者です。自治体の創業者向けの信用保証付き融資を申請したのですが、“自治体”で断られたというのです。「“自治体”で断られる」とは、一体どういうことでしょうか?
これは、都道府県によって名称や詳細等は異なることはありますが「各自治体の支援センターのような機関で委託を受けた“中小企業診断士”などの先生の審査を受けてパスしなければ、金融機関に融資の申込が難しくなる」というところがあり、これがまたややこしいのです。
いわゆる、市町村区レベルの制度融資ってやつですね。これが意外と厄介なんですよ。Sさんは、この窓口で先生に「この事業では無理です」と断られたようです。
さて、Sさんの専門分野は、かなり複雑なIT技術でした。私もよく分かりません。しかし、私の知り合いのIT技術者に聞いたところ「これからの分野で有望だよ。この分野は素人には分かりにくいだろうなぁ」とのことでした。
そこで、この窓口先生に再度アプローチをかけてみましたが、少々頑固なのか「ダメなものはダメ」でした。「事業計画に客観性がない・・・」、「こんなに利益が上がるわけがない」、「事業ドメインが・・・」などの理由だそうです。いかにも中小企業診断士の先生らしい指導でした(笑)。
そこで、私はその先生と同業者の仲間を探し出したところ、偶然にも知り合いがいたのです。その彼にお願いして、先生の説得にあたりました。また、そのセンターの上層部にも連絡して交渉を始めました。こうなるともう戦いです。
結局は受け付けてくれて、融資を受けることができました。こう話すといかにも簡単そうですが、それには色々な方の協力がありました。
こういうケースも稀にあります。実際、優秀な先生から素晴らしいアドバイスをもらえる場合もありますが、すべての先生がそうだと言う訳ではないのです。恐らくその先生は事業内容を理解できなかったのでしょう。はっきり言って“ピンキリ”です。
ある有名な中小企業診断士の先生が言っていました。
「本業が忙しい診断士はあまりそういう仕事しないでしょ・・・」。
なるほど、納得・・・。
しかし、これは提案する側(Sさん)にも問題はあると思います。難しい事業内容であればあるほど、分かりやすい説明が必要なのです。意外とこういうポイントがとても重要なのです。
先ずは、「30頁の事業計画書」より、「簡単にまとめた2~3頁の企画書」の方が相手に伝わりやすいのです。必要に応じて追加で「数十頁の事業計画書」を提出しましょう。
(吉田学・資金調達コンサルタント)








