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上原春男の「成長の原理」で企業が生まれ変わる(後編) [商品紹介]

2005年06月03日

(前編はこちら

脳細胞の活性化が組織を成長させる

上原春男の「成長の原理」で企業が生まれ変わる理工学者として研究に利用した効果は絶大であり、上原氏自身の成長、そして家族や後進にもこの原理を活用しており、 さらに「日本経済を支えている中小企業にとって充分に活用できる原理だ」と上原氏は言う。

上原氏は相談を持ち込んだ企業が成長の原理に反したことをやろうとしている場合は、重役会議の決定事項に対しても反対する。 原理に反した経営を行なう限り、企業は成長できないからである。

また、企業全体の目標を達成する上で阻害要因になる人間は除外する必要があるため、 上原氏の原理を取り入れた企業では社員を解雇する例も珍しくないという。 『成長の原理』では、企業の利潤は社員1人1人の創造性の大きさによって決定される。企業の目標と個々人の目標のベクトルにおいて、 構成員が1人でもマイナス方向を向いていると、全体の創造性はマイナスになってしまうからである。

成長の原理を、「脳細胞を活性化するための手法」と上原氏は説明する。 さらに、「脳細胞を活性化し成長するためには、創造性を発揮させる必要がある」と、氏は言葉を続ける。

例えば、来客用のコーヒーカップを買ってくるように新入社員に指示を出すとする。 この場合、「お客さんが喜ぶようなコップを」という一言をつけ加えるだけでも、創造性に刺激を与えることになる。

成長を望まない人間はどういう社会であっても、全体を心地悪くする。
例えば、夫婦は社会で最も基本的な組織と言えるが、妻は夫のどのような点に対して不満を感じるのだろうか。

アンケート調査を行なったところ、「夫が将来に対する希望を持っていない」という答が全体の80%を占めたという。

上原氏は、「例えば私自身がしょぼくれていたら誰もわざわざ会いに来ることはないでしょう」と笑う。

『成長の原理』も成長していく

上原春男の「成長の原理」で企業が生まれ変わる上原氏は現在理工学部長を務める佐賀大学で、平成4年から2年かけて教育システムの構築に取り組んだ。 その結果生まれたのが「すべての学部の教授がすべての学部の学生を相手にする」という画期的なシステムである。 上原氏自身も全学部の講義を受け持ち、学生に『成長の原理』を伝えている。

上原氏は「先生が学生に教えようと思ったら大間違い。逆に先生は学生に学ぶもの」と言う。

世界的に評価が高い上原氏の論文のほとんどは、学生たちと一緒に行なった実験やディスカッションを通して生まれたものである。 作り上げるのはもちろん上原氏だが、学生とのコミュニケーションによって氏の脳細胞が活性化されたことによる産物ということである。 既成概念は何ら創造性に役立たず、学生のちょっとした質問が既成概念に刺激を与え創造物を作り出すこともある。 学生に刺激を与えると同時に、成長している人間に学んだことを成長が止まった人間に教えているわけだ。

もちろん氏自身も勉強に精を出しており、成長にまつわる書物を中心に読書量も多く、現在の蔵書はおよそ1万冊。 その中身は、哲学書から漫画まで幅広い。目下、クリエイターとして活躍した手塚治虫氏の作品の収集に力を入れているところだ

業においては1人に1つだけの仕事をさせないことが原則(並列進行の原理)。一見効率が悪そうだが、 脳細胞を活性化するための働きかけが必要ということである。 脳細胞を活性化すると一口で言っても、どの部分を活性化するかということが問題なのである。原理そのものはシンプルだが、 言うまでもなく、上司が部下の性格と適性を見極める能力を備えていることが前提となる。

さらに指示を出した後に進み具合をチェックすること、それも相手の創造性を刺激する形で行なうことが、絶対に必要なことである。

「やっているはずだ」と考える日本人と「やっているはずがない」と考える欧米人の違いともいえるが、 こうした徹底ができていない企業が意外に多い。だからこそ、上原氏の原理を取り入れた企業が成長できるのである。

10年前に著書を出版した際、当初上原氏が考えていたタイトル『技術開発の原則』が 『成長の原理』 に変わった背景には、夫人と当時高校生だった長女の強い“押し”があったという。 「『成長の原理』そのものも成長していく」 という氏の言葉の通り、この原理が成長していくのは間違いなさそうだ。

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