日本の監査報酬の実態が明らかに [業界動向]
日本公認会計士協会は先ごろ「監査実施状況調査」を公表しました。この調査は、平成17年3月3日までに同協会に提出された平成15年4月期から平成16年3月期までの1年間にかかわる監査概要書及び商法監査実施報告書ならびに平成15年度の信金・信組の監査実施報告書及び学校法人監査実施報告書に基づいて行ったとしています。
調査対象は、証券取引法監査実施状況では4,575社(個別財務諸表のみ提出企業1,081社、連結財務諸表提出企業3,494社)、商法監査実施状況では5,752社、信金・信組監査では318社、学校法人監査では5,787法人となっています。公表されたデータは、売上高別、業種別の監査従事者とその監査時間、報酬額の最低・最高額と平均値です。
まず証券取引法監査の個別財務諸表のみ提出している企業についてみると、監査従事者数の総平均は8.9人、監査時間の総平均は762時間、監査報酬の平均は9,827千円となっています。単純計算で1時間あたりの単価を求めると、1万2,896円となります。ちなみに監査報酬の最低額は売上高10億円未満の200千円、最高額は売上高1000億円以上1兆円未満の70,000千円となっています。
次に連結財務諸表を提出している企業を見ると、監査従事者者数の総平均は13.0人、監査時間の総平均は1,703時間、監査報酬の平均は20,516千円。単純計算での1時間あたりの単価は1万2,047円となります。監査報酬の最低額は売上高+10億円未満の600千円、最高額は売上高1兆円以上の202,600千円となっています。
さらに、業種別に監査報酬の平均額を見ると、個別財務諸表のみ提出企業では、建設業が12,753千円、製造業が11,212千円、卸売業・小売業が12,027千円、金融保険業が12,949千円、不動産業が6,424千円、運輸通信業が6,439千円、サービス業が8,233千円、連結財務諸表提出企業では、建設業が21,747千円、製造業が21,396千円、卸売業・小売業が19,732千円、金融保険業が26,411千円、不動産業が16,510千円、運輸通信業が17,905千円、電気・ガス・水道が23,591千円、サービス業が17,011千円となっています。
日本の監査報酬は欧米に比べて格段に水準が低いといわれていますが、今回のデータではその水準とともに、かなりのばらつきがあることが明らかになりました。あくまでも単純計算ですが、個別財務諸表のみ提出企業の時間単価が連結財務諸表提出のそれを上回っていることなどにも、問題が内包されているが伺われます。(「月刊シリエズ」編集部より)








