10年間で売上高を7倍!! 脅威の会計事務所(後編) [商品紹介]
(前編はこちら)
現在、同事務所ではサービスを大きく3つに区分している。
2.人事サービス
3.テクノロジーソリューションズ
の3つだ。
同事務所での大きな特徴は、通常多くの会計事務所でサービスの中心となる税務や会計は、ファイナンシャルサービスに含んでいることだ。税務や会計も、そのほかのM&A、資金調達、業種特化サービス、FP業務などと同ラインに位置づけられるのだ。これは、お客さまにとっては、税務や会計もビジネスにとって必要なサービスのうちの一部でしかない、という位置づけを明確にしているからだ。こうしたサービスの組み換えもMDがパートナーと共に考え、提案しているのである。そして、そういうサービスをわかりやすくパンフレットやニュースレターなどを用いて説明することで、お客様に理解されやすくなっているという。
「このように事務所内で多様なサービスを行っていることも、既存のお客さまに対してはわかっていただけます。でも今そこにいないお客様に対してはそれ以上のことが必要です。マーケティングディレクターの役割はこういったときにも、パンフレットでわかりやすく説明したり、ニュースレター、DMなどを使って今顔の見えないお客様にもコミュニケーションをとっていくことなのです」とリサ氏は語る。
最新のテクノロジーを駆使したWEBサイト
コミュニケーションという意味では、同事務所ではWEBサイトも存分に活用している。
「WEBサイトの役割は、新規のお客様をひきつけるだけでなく、既存のお客様に教育や、情報提供を行なうことです。Eメールレターを使ったコミュニケーションや、セミナー告知などをすればその後には、WEBサイトに必ずリンクしてもらえるような工夫をします。常に私たちは、WEBサイトまで顧客を導く方法を探しています」とリサ氏。
さらに、同事務所のクライアントは、セキュリティのかかった同事務所のWEBサイト上からは退職金口座、投資口座などの資料を調べたりもできるという。これらのWEBサイトも、同事務所ではマーケティング部が管轄しておりリサ氏や技術担当者の責任範囲の一部だという。
もちろん、顧客管理やデータ管理を行うのもMDの役目であり、同事務所ではCRMという独自のソフトを開発し、顧客との関係を確認しながら行うようになったという。また、そのことで他の部署の職員がどのようなお客様とあい、どのような活動をしているかも全員がわかるようになり、事務所内のコミュニケーションが高めることも可能になった。
マーケティング担当はどんな人がいい?
このような役割を果たすマーケティングディレクターにはいったいどういった人を採用すればよいのだろうか。その点についてケイン氏はこう語る。
「文化的な違いはあるでしょうが基本的には同じでしょう。リサは積極的で、フレンドリー(友好的)でとても話しやすいタイプです。こういったコミュニケーションのスキルは大切ではないでしょうか。専門家にはそういったスキルが欠けている場合もありますから」
また、ほとんどのビジネスは結局のところ人間関係から生じるケースが多い。だからこそ、人間関係を上手に活用できるタイプがMDとして向いていると指摘する。実際、リサ氏は取材した印象でも非常にチャーミングで、会った瞬間に打ち解けやすい雰囲気を与えていた。そして、重要なことは、こうした人間関係などCPAが比較的苦手な分野においては、MDが対等以上の立場にたち、「CPAが教育をするのではなく、マーケティング担当者がマーケティングに関してはCPAを教育する側に立っている」という関係を構築することなのである。
マーケティングには長期的な視野が必要
大事なことは、MDが事務所内のすべてのマーケティングを行うわけでは決してない。しかし、マーケティング部署をおくことで、事務所内や外部とのコミュニケーションが円滑になる。そして、事務所のメンバーは“マーケティング”に対する能力を養い高めることで新規顧客の開拓や新規ビジネスへ取り組めるようになるのだ。
「成長の秘訣は何でしょうか?もしリサさんのようなマーケティングディレクターの存在がなかったとしたら・・.」とたずねるとパートナーからは即座にこんな答えが返ってきた。
「彼女がいなかったら?なんて考えられませんね。彼女が1994年に入社した当時は、事務所のスタッフは54人でした。それが、今では230人います。勿論、多くの人が貢献した結果、事務所はここまで成長したのですが、リサ抜きに事務所がここまで成長することは考えられないでしょう」
もうひとつ、意外なことがあった。それは米国ではMDのコミッションは倫理規定によって認められていない。それではモチベーションが上がらないでは?と考えられるが、そうした問いにリサ氏はこう話す。
「私たちは、会計事務所が成長するための活動には職員全員の責任があると考えています。もし、事務所が成長すれば、我々MDを含めた全員がその利益を得ます。ですから、お客様を増やすとか、成長するための目標を達成することが事務所ひとり一人の目標となるのです」。つまり、MDは一人では決して多くのことはできない。そして、MDの行動が成長に直結するのではなく、あくまでも会計事務所の成長は職員一人ひとりの成長によって達成されるのだという。MDはあくまで、そうした成長を促進させる補助なのである。
最後に日本の会計事務所に何かメッセージをというと、ケイン氏は次のように語った。
「マーケティングには、長期的な視野が必要です。日本の会計事務所でも同じだと思いますが、ただ広告を新聞にだして「これでお客様がくる」と思ってもうまくはいきません。長い目で何度も何度も繰り返すこと。自分でやると言ったことを実際にやる。それと同時に質の高いクライアントサービスを提供し続けること。こういったことを積み重ねた結果、私たちは成長し、今日があるのです」。
マーケティングは、そうした行動をより効果的にかつより効率よく行うために必要なものなのである。








