関与先経営者の代替りを前にするべきこと [商品紹介]
ジェネレーションギャップを埋めろ
「仮にその税理士が嫌でもなく、良くないわけでもなく、それでも替えられるケースがある。要因の多くは世代間ギャップです」
こう指摘するのが二代目経営研究センター常務取締役の桑島克憲氏である。優れた税理士でも、あまりにも年がかけ離れていると「聞きたくても聞けない、話しづらい」という人が多い。とくに税務会計、営業戦略など、経営の根幹に関わり、シビアなやりとりがある事柄はなおさらで、当然ながら、お茶呑み話や世間話とは異なる。“まだ若い人の話にもついていける!”という気概も大事だが、それだけでは、世代間ギャップの溝を埋めることはできないのである。やはり、あくまでも経営のパートナーとして認めてもらう必要がある。
そのためには、まず経営に関する会話や相談をしてもらうためのキッカケを作る必要があると桑島氏は言う。例えば、コミュニケーションツールの一つとして経営情報や自著、または経営に役立つ情報の提供などを突破口に、共通のテーマで対話することをまず行ないたい。
関与先の二代目対策に奔走する会計事務所
同社発行の書籍『二代目社長の百訓』もコミュニケーションツールとして会計事務所で利用されていると桑島氏。会計事務所からの問い合わせなどの件数は20件あまりにのぼり、同書を大量に購入する例も出てきた。関与先の二代目対策に奔走する税理士の姿が浮き彫りになっており、例えば、活用の仕方には次のような事例があった。
ある経営者が顧問税理士に「二代目にしようとしている息子がどうしても言うことを聞かないので、先生からちょっと話してくれないか」と相談を持ちかけたという。親子ではなかなか言いづらいことも税理士なら感情的にならず、かつ客観的に話せるというわけだ。それに対して、顧問税理士は、決して父親の言い分を主張することだけに主眼を置かず、ニュートラルな立場として息子と語り合おうと、同書をコミュニケーションのツールに採用。結果として、世代を超えて関係を深めることができたという。
また、先手を打った利用法としては、二代目、もしくは後継者候補と目される幹部社員に限定したセミナーを開催し、同書を資料として配布した税理士もいたという。
もちろん同社の書籍に限らず有効情報は他にもあり、ツールにこだわる必要はない。つまりはコミュニケーションのキッカケを作り、関係を深めることが大事であると桑島氏は指摘している。
関与先を失わないための3つの鉄則
それでは二代目経営者に見限られないためにはどうしたらよいか。桑島氏に二代目経営者から切られないための3つ心得を聞いた。
まず、(1)代替りする前に手を打っておく。つまり、日頃から関係を深めておき、後継者から信頼を得ておくのである。無論、これは時期の予測が可能な場合と不可能な場合があるので、常日頃からの情報収集が大事になってくる。
(2)二代目の目線に立ってアドバイスすること。ボンボンであろうと、甘ちゃんであろうと、頭ごなしに言ってはいけない。どうしようもないドラ息子でも、“先生”から一段降りて話し、信頼を得て心を開いてもらい、引いては自身の経営指導を受け止めてもらうのである。
(3)経営の悩みを聞いてあげること。税務会計など数字の話に限らず、資金繰り、人事労務、さらにはマーケティングなどの相談にも対応していかなければならない。そして最終的には心のケアに関わるまでに関係を深めるのである。
代替りを機に税理士を替えるケースが非常に多いのは事実だが、本質的にはやはりコミュニケーションの深浅に行きつく。関与先企業の経営者が“二代目”であろうとなかろうと関係ない。したがって、常に新鮮な情報を得るためのアンテナを伸ばし、世代を超えた対話に敏感に反応することが大事であり、それが経営のパートナーの地位を保つのである。(「月刊シリエズ」より)








