社長一人への働きかけでは組織は動かない [事務所経営]
ここ数年、新商品として経営計画の導入を図る事務所が増えています。企業の7割が赤字という状況下で、経営支援に入っていかざるを得ない会計事務所にとって、経営計画は最も扱いやすい商品といえるかもしれません。
しかし、顧客の経営計画を作成する一方で、肝心の事務所ではどうかというと、おざなりになっているケースが少なくありません。中には利益計画すら立てていないという例まであります。これで果たして顧客の指導やサポートができるのでしょうか。
ある税理士法人の代表社員は「事務所は関与先の実験場である」として、所内で経験したサービスのみを提供していますが、残念ながらこうしたスタンスの事務所は少数のようです。自分のところでは使ってもいない商品を他人に売りつける。極端に言えばそん事務所すらあります。
商品やサービスには使ってみなければわからない面があります。特に経営計画のような商品は、作って終わりではなく、Pに続くDCAが重要です。これを行わず、Pだけで終わってしまうのでは商品とは呼べません。
むろん、このPCDAは会社で行うべきことです。その会社の社員一人ひとりが動かしていきます。そこで問題になるがこの社員一人ひとりのモチベートです。計画を実行に移し、その結果をチェックし、行動に変えていく社員にやる気がなければ、計画は文字通り絵に書いた餅になります。
この社員をやる気にさせるというところまでいかなければ、経営計画は機能しません。つまり、会社の内情を把握し、有効な対策を打てなければ、経営計画の導入は意味がないことになります。
仏作って魂入れずとまでは言いませんが、会計事務所が顧客に導入している経営計画には少なからず課題があるのではないでしょうか。経営は社長一人が行う時代ではありません。社員を巻き込まなくては事業の継続はきわめて難しい状況にあります。
したがって、会計事務所の経営支援サービスでも、従来の社長一人への働きかけから、社員全体への働きかけが必要になっています。このあたりの発想の転換と実践がこれからの会計事務所には重要なのではないでしょうか。(月刊シリエズ編集部)








