会計士協会に負けた税理士会? [業界動向]
しかし、一般の税理士が会計参与として現実の企業に関わることはそうたやすいことではありません。これは知識レベルや責任の問題ばかりではありません。現実に会計参与を依頼する企業がどのようなレベルで、いかなるニーズをもっているかを考えることが重要です。
「会計参与は監査法人をリタイアする公認会計士の仕事になる」という見方を示す税理士もいます。実態としては監査法人が財務諸表を担保し、リタイアする公認会計士は名誉職と収入源を得るというのです。この見方は、こうした会計参与を依頼する企業は監査法人と接点を持つ程度のレベルと想定しているわけです。
むろん、これに対する反論もあるでしょう。一般の中小企業でも金融機関から資金を引き出すためには制度を利用せざるを得ないという見方もあります。ただ、そうした企業の財務書類の作成に携わり、なおかつその中身に一定の責任を持つとなると、きわめてリスキーな仕事になります。そう考えると、会計参与を依頼する会社で、かつ税理士や会計士が引き受けようとする対象はかなり限定されるように思われます。
会計参与は税理士会と会計士協会が職域を巡って長年争ってきた落しどころとなりました。しかし、果たしてどちらが職域を広げたかといえば、現段階では会計士側に軍配が上がるとする見方が強いでしょう。
大企業を対象に監査を行なっている公認会計士がその下の中堅層に降りてくるのは比較的容易ですが、中小・零細企業を対象にしている税理士がその上の層に職域を広げるのは容易ではありません。「会計参与的な仕事に入っていくなら、一定の研修を条件に特例会計士などで税理士が会計士の領域に入
っていくことが必要だった」という指摘がありますが、これは説得力のある見方と思われます。
「結局のところ、税理士会は会計士協会にしてやられた」とは、ある税理士の指摘ですが、そんな見方も広がっています。








