会計事務所の給与と報酬の関係 [事務所経営]
会計事務所の経営の最も特徴的で有利な点は、顧問料制度にあるといえるでしょう。毎月入ってくる顧問料と年に1回の決算料、この2つの収入が売上の80~90%を占めているケースが一般的です。つまり、売上の8~9割が安定収入として見込めるわけです。他の業種の経営者から見ればこんなうらやましいことはないでしょう。
給与の仕組みを考える上でも、この売上構成はきわめて有利です。固定収入のかなりの部分が読めるわけですから、経費をこれでまかなえればプラスアルファの売上が利益になるわけです。したがって、給与は顧問料収入をベースにすればよいことになります。
ある事務所では、各職員が担当する関与先ごとの収入を確定予算として組み、これをもとに給与額を決めています。そして、この確定予算を上回った売上の三分の一を業績賞与として配分しています。この三分の一の考え方を取り入れている事務所は少なくありませんが、これは内部留保が三分の一、納税資金が三分の一で、残りを職員に分配するというものです。
こうした給与体系では、売上が増えれば、その分賞与が増えるわけですから、職員のやる気につながります。また、売上を増やすためには顧問料以外の仕事を受注するか、新しい顧客を増やすしかないわけですから、やるべきことも明確になります。
このような仕組みのもとで職員が成果を上げれば、売上の上昇に結びつきます。そして、それが善循環していけば売上とともに給与も伸びていくことになり、事務所の成長につながります。
ただし、これにはひとつ条件があります。それは事務所の経営情報、すなわち経理の公開が求められるということです。これができないと形は作れても、実際にはうまく機能しません。
このあたりのジレンマを抱えている事務所も少なくありませんが、情報公開は時代の流れです。個人事務所であっても経営情報を公開する時代を迎えているのではないでしょうか。
顧問料と給与は事務所の戦略そのものといってよいかもしれません。したがって、その仕組みは個々の事務所によって大きく変わって当然ともいえますが、それをうまく機能させるためにはやはり情報公開が重要なのではないでしょうか。(月刊シリエズ編集部)








